Two is the beginning of the end 第152話~第164話

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―頭蓋骨割れるほど、膨張する脳天気。―
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「チャッピー」を名乗る謎の女性(たぶん)が掲示板「一人相撲」に残していった謎のURL…。
そこでは大爆笑のチャッピーワールドが展開されていた!一見の価値あり!
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(http://jackylove.fc2web.com/index.html)

いつも思いっきり伝えてなくちゃ! アバンチュール粉氏をEzに呼び寄せよう計画! 新・活字芸術


【2004.7.11(日)】

 Entertainment Zone(Ez)というHPが誕生してから丸四年が経過しました。長かったですね。
 サイト名もいつのまにかEntertainment Sonne(Es)に変わったつうことで、そろそろ解「題」しますわ。

 最初にZoneは決まってたんですわ
 あだ名がゾネだったから。
 で、なんでEntertainmentなのかというと
 当時ちょうど『THAT'S ENTERTAINMENT!!』という映画を衛星放送で見てなんか気に入ってしまっていた、というだけの理由。

 「エンターテインメントゾーン」っていうのは、「娯楽街」ってくらいの意味で、さらに言えば、「赤線」なんて意味もあります。
 辞書にもちゃんと載ってます。
 でも最近はこのページ、まったく娯楽的でもないし、このページ見てオナニーする人とかもいなさそうだから、
 タイトルが空っぽになってきた。

 「エンターテインメントゾネ」っていうのはまあ名詞を形容詞的に使ってますが、
 「娯楽的ゾネ」「余興的ゾネ」あるいは「気晴らし的ゾネ」ってくらいの意味でしょうか。
 ここのとこ、娯楽とか余興とかっていう機能はほとんどなくなってますが、「ゾネちゃんの気晴らし」という意味でとれば妥当なタイトル。
 (まあ、現在僕のことを「ゾネ」と呼ぶ人間はかなり希だから非常にわかりづらいんだが。)

 そんなわけでEntertainment Sonneです。、Entertainmnt Zoneという名称も嫌いではないので、こっちも使っていきますが。
 ZoneをSonneに改めた理由は幾つかあって、最大の理由は「検索しやすい」ことです。
 「Entertainment Sonne」で検索すると、必ずいちばん上に出ますもの。
 (ちなみに「Entertainment Zone」だと、現在三番手。)
 「ドラえもん ジャッキー」でも、相変わらず一番上に出る。
 「国語国文学科 ジャッキー」で検索してもトップです。
 実際にこれで検索してやってきたという早稲田の後輩もいます(ドイツ語で同じクラス)。吃驚だ。

 そう、ドイツ語ね。Sonneはドイツ語で「太陽」の意味。つまりラバーメンとはゴム人間のことー。
 英語+ドイツ語、しかも意味的な繋がりは一切なし。
 こういう意味不明なタイトルにすれば、現在のこのHPのスタイルがわかりやすーく示されるんじゃないかなあと。
 思いまして。
 読み方も踏襲されかつ統一されるし。

 「Entertainment Zone」の略称は「Ez(いーじー)」つまりeasyってことで、「お気楽に」ってなくらいの意味。
 そのスタンスは今でも変わってないのですが、
 「Entertainment Sonne」の略称である「Es(えす)」、これはドイツ語で、英語のit(それ)にあたる語です。
 フロイトの用語としてのes=エス(ラテン語だとid=イド)は、
 人間(パーソナリティ)の心を構成する要素のうちで「生物学的、本能的、欲動的、無意識的なもので、快感原則のみに従い、現実原則を無視、ひたすらその満足を求め、論理性を欠き時間をもたず、社会的価値を無視する」(小此木啓吾『フロイト』講談社学術文庫)ものです。
 めちゃくちゃ簡単に誤解を恐れずに言えば、リビドー(性的欲動)の巣みたいなもん。
 (やー。エスはミスチルの曲に使われてるから有名でしょう。ところで僕はミスチルファンじゃないぞ。周りにミスチルファンが多すぎて辟易する。
 まあ僕も嫌いじゃないしアルバムも何枚か持ってるけど。あの曲において、「僕を走らせる」ものとは、たぶん性欲のことなんでしょうよ。
 「僕を走らせる性欲!」「僕の中にある性欲!」とか歌ってるわけで。うん。)

 「イージー」は、現在完了進行形なスタンスであり、これまでもこれからも特に変わりそうにない。
 反対に「エス」というのは、僕にとって理想的なスタンスなのです。
 特に高校の頃は、「保身的な」文章を書いていたという自覚があります。自覚は当時からありましたがそれでいいと思っていました。今でも保身的なスタイルは消えてないような気がしますが、前よりはマシだという自負もあります。
 この保身性が完全になくなったらいいなあ、と常々思うわけです。つまり、何の気兼ねもなく他人の悪口を言ったり何の気兼ねもなく愛を語ったり何の気兼ねもなくうんことかちんことか書きたい。と。見栄や煙幕を張りめぐらしたり、照れ隠しをしたり、自慢をしたり、言い訳をしたり。どうしても自分を少しでも良く見せようと努める。そんなんではいくない。
 そう思って、自戒の念を込めて、「Entertainment Sonne」なのですよ。

 道化というポジションを利用して他人を喜ばせたり、自己弁護に走るのではなくて、芯から道化になりきって、結果として他人が喜んでくれたら。結果として、自分がみんなに好かれたら。いいなあ。で、そのためには「結果」を考えないことが最も大切。難しすぎる。矛盾を孕む。意識する限りは近づけない。

 「エス」という、社会に縛られず、本能的に、快感のみを追い続ける生活、あるいはそのような文章。
 憧れるよ。理想です。ちょっと頑張ってみましょう。はじめはぼんやりと、意識をして。対話を続けながら――

 なんて、ああ。メモ帳の切れ端を読み上げてしまった。なんてこと。

 まあええて。
 高校一年生の僕は、「このHPを僕のライフワークにするぞ!」なんて思ってました。
 あの頃のエネルギッシュな自分に敬意を表して、なんとかライフワークとして続けていきたいと思いますわ。
 よろ。

【第164話 人の陰口言うな聞くなそれからつまらぬ嫉妬はするな俺は浮気はしないたぶんしないと思うしないんじゃないかなまちょっと覚悟はしておけ  2004.7.10(土)】

 納豆の日なんで、日がな一日納豆を摂取。

 納豆の日は、今みんなが知っても納豆の日でありいい日なんで。

 ジャッキーは、今ジャッキーが死んでもジャッキーでありいい奴なんで。

 この味がいいねと君が言ったから七月十日は納豆の日。

 手塚治虫が生まれたから十一月三日は文化の日。



 「きちがい」というのは「気違い」という意味ももちろんあるけれども、それはあんまり好ましい言葉ではありそうもないので、僕は「機知外」という字をあてたい。
 「機知外」は機知を解さない人のこと。もう少し定義を敷衍させて言えば、冗談の通じない人。
 あ、バカの壁読みたい。

 明日公開される予定のとあるWebサイトを管理人さんより特別に閲覧させて頂いたのですが、爆笑しました。こんなに面白いホームページは見たことがない。

 明日でこのページも4周年だ。色々あったなあ。
 日記のダイジェスト版がつくりたいけれども量が膨大すぎて「不可能だ」。



 上昇志向ってうざい。

この広大なネット社会のどこにもばびっと数え歌の歌詞を掲載しているサイトがないということはゆゆしき事態である。
というわけで中学の頃の記憶のみをもとに、記録することとした。
違ってたら教えてください。


ひのふのひのふのひ

比叡山のえいの字は
とはいちははめまたなんだよー

比叡山のえいの字は
とはいちははめまたなんだよー


ひのふのひのふのふ

不倫はブームでもやったらダーメダメ
ってお父さんとお母さんに言ってみよー

不倫はブームでもやったらダーメダメ
ってお父さんとお母さんに言ってみよー


ひのふのひのふのみ

右みて前みて左みてー
それでも車にゃ気をつけよー

右みて前みて左みてー
それでも車にゃ気をつけよー


ひのふのひのふのよ

ヨロレイヨロレイヨロレイヒー
おやまのてっぺんで叫びましょー

ヨロレイヨロレイヨロレイヒー
おやまのてっぺんで叫びましょー


ひのふのひのふのいつ

いつかはこーんな日がくるとー
わかっていたのよさようなら

いつかはこーんな日がくるとー
わかっていたのよさようなら


ひのふのひのふのむ

むかつくこーとは多いけどー
むかつくだーけじゃ「世の中はよくならん!」「誰れ?」

むかつくこーとは多いけどー
むかつくだーけじゃ「世の中はよくならん!」「誰れ?」


ひのふのひのふのなな

な、なんとびっくりばびっとの
お耳のあなってちっちゃいんだよー

な、なんとびっくりばびっとの
お耳のあなってちっちゃいんだよー


ひのふのひのふのや

「やーっ」とかけ声かわらを割ろう
空手をやってない人はやめとこねー

「やーっ」とかけ声かわらを割ろう
空手をやってない人はやめとこねー


ひのふのひのふのここの

こーこのお店はやめときなー
なーにをたべてもまっずいんだよー

こーこのお店はやめときなー
なーにをたべてもまっずいんだよー


ひのふのひのふのと

とーちゃんかーちゃんおねーちゃんー
みんなでこどちゃをみて笑おー

とーちゃんかーちゃんおねーちゃんー
みんなでこどちゃをみて笑おー

【第163話 破裏拳ポリスマン  2004.7.9(金)】

 夏と一緒に君はここに帰るよ!
 膝をかかえて僕は待っているよ!

この歌を、あなたから僕に捧げさせます。



 御機嫌伺いLOVE  作詞・作曲:古田喜昭  歌:増山江威子
 (テレビ朝日系アニメ『パーマン』挿入歌)


 意地悪な天使が言うの
 “先好きになったら恋は
 悲劇ね…”と 当たってるわ…
 胸の中で“嫌い”口先で“ゴメン…”
 ケンカの時 先にあやまるの いつでも私…
 御機嫌伺いLOVE 背伸びいっぱい
 御機嫌伺いLOVE でもね好きなの彼が


 不思議だわ 好きになるほど
 淋しいの 恋のバランス
 わからない 泣いちゃいそう…
 悔しいほど 彼は伸び伸びしてるの
 言いたい事 言うの傷ついているのも知らず…
 御機嫌伺いLOVE 背伸びいっぱい
 御機嫌伺いLOVE ずっとこのままかしら…


 いまここに魔法使いが
 現れて“夢はなあに?”と
 聞かれたら 1つあるの
 1度でいい 彼と私の立場を
 とりかえっこさせて 思い切り甘えてみたい
 御機嫌伺いLOVE 背伸びいっぱい
 御機嫌伺いLOVE いつか逆転するわ
 御機嫌伺いLOVE 背伸びいっぱい
 御機嫌伺いLOVE ずっとこのままかしら…


【第162話 携帯ポリスマン  2004.7.8(木)】

 『浪漫倶楽部』って読み返してみたらけっこう突っ込み所が。
 例えば、第15話「ハートキャンバス」。美術室の幽霊・睦美が描いた八ッ橋か香織里かの似顔絵がどこへ消えたのか気になる。可哀想だぞ、誰にも描かれてない人。
 第16話「約束の水面」では、お盆の時期、死んだ爺ちゃんの霊が蛙に乗り移って帰ってきて、海で溺れそうになってる孫娘を助けに海に飛び込みます。
 ところが蛙は海水に浸かりすぎると死にます。
 結局じいちゃん=蛙は、娘を助けることはできましたが死にました。
 (っていうか蛙の力で人間を助けられるはずはなく、実際は主人公火鳥泉行が助けたのですが)
 「おいおいじいちゃん、いくら娘のためとはいえあんたいたいけな蛙の命を無駄に失わせているだけじゃないか」と叫びたい。
 でもいいんです、名作だから。
 大好きです。
 さて。ちんぷんかんぷんだという人は今すぐ書店に走ってエニックス(現スクエニ)から出てる天野こずえさんの『浪漫倶楽部』を購入しましょう。


 僕は好きなものが多いです。
 (『浪漫倶楽部』もそのひとつです。)
 ただそれだけ。
 たったそれだけのことなのに。


 女の子は嫌いではないのだ(軽い火傷程度なら)。でもどっちかっていうと煩わしいのだ。
 熱い視線なんかホント勘弁。


 どうでもいいじゃん。
 ってことないにせよどうにかなるじゃん。
 9割パクリじゃん。


 いつになったらパクリ癖がなくなるのか?
 いつになったらB専上のジャッキーと自称しなくて済むのか?


 舞城王太郎が芥川賞候補?
 世も末ですね。
 門戸開放だね。
 ジャンルなどもう無いだろう。
 喜ばしい。


 相対化ばかりが正しい訳じゃない。
 今日の「中古文学演習」の演習発表者によると、プータローやフリーターが増えているのは相対的思考のせいだという。
 絶対化はどこかで必要なのだ!
 ただし、どこかで。


 三ツ矢サイダーおいしい。でも本当は、ライトサイダーが飲みたい。


 いつになったらミーハーでなくなるのか?
 いつになったら虚勢を張らないでいられるのか?
 今そんなことばかり考えてる。慰めてしまわずに。
 いつになったらB専上のジャッキーと自称しなくて済むのか?
 いつになったらパクリ癖がなくなるのか?
 今そんなことばかり考えてる。慰めてしまわずに。

 いつになったらパクリ癖がなくなるのか?
 いつになったらパクリ癖がなくなるのか?
 今そんなことばかり考えてる。慰めてしまわずに。


 自らを慰めてはいかんのだ、発展がない。
 考えることが重要なのだ。


 狂気。そのためには何かを捨てなくてはいけない。親戚から借りた賃貸マンションの壁を勝手にぶっ壊して劇場に変えるくらいのエネルギー。
 くすぐリングス並の狂気。
 ゴキブリのうんこ和え喰うくらいの変態性。


 くすぐリングス行きたい。ビデオでもいい。

【第161話 想いは地上(ここ)に…願いは宇宙(そら)に。  2004.7.7(水)】

 織姫は七夕の笹に飾られたけどそこに彦星はいなかった
 だから笹と一緒に何度も戻ってきたのか…

 二人の七夕(想い)はやっとかなったんだ

 今ごろあそこ(天の川)にいるんだね

 ああ!!!



 なんだろうかこのルビの振り方は。
 『浪漫倶楽部』を久しぶりに読み直してみようかと思う。

【第160話 チャッピー、餌。  2004.7.7(水)】

 七夕の夜、君に会いたい。
 七夕の夜、君に会いたい。
 七夕の夜、君に会いたい。
 七夕の夜、君に会いたい。

 pretty tea time pretty tea time pretty tea time pretty time pretty tea time pretty tea,
 pretty tea time pretty tea time pretty tea time pretty time pretty tea time pretty tea,

 七夕の夜、君に会いたい。
 七夕の夜、君に会いたい。
 七夕の夜、君に会いたい。
 七夕の夜、君に会いたい。

 なんだ、間違えちゃった。
 月はミラクルライト。

【第159話 東京アンダースタンド  2004.7.6(火)】

 喫茶店で、パフェーを食す。シャツのことをシャーツと表記してみる。
 色々のことを話す。一方的に喋る。いつでも“一通”、いつでも溜息。
 それでも笑顔を溢れさす。フレッシュフーズのジャッキー・チェーン。


 ジャッキーは、大学二年生であるが、ドイツ語1が、再履修(去年一月しか授業に出なかった)である。つまり本来一年生で取得すべき単位を取っておらず、本来一年生で受講すべき講義にフレッシュな一年生連中に混じって受講しているわけである。ジャッキーはその「ジャッキー」という柔らかな呼称と持ち前の気さくな立ち居振る舞いによってクラス内でもステイボゥなポジションを獲得し和気藹々とした空気の中で“一年生のふりをして”ドイツ語を学んでいる。
 でも別に隠す気もないので、ドイツ語で同じクラスの(一年生の)女の子との会話でも、
 「ああ、姫(そのこのあだな)、石原千秋の授業出てるんだ?」
 「うん。もうすぐテストなんだけど、『浮雲』に関する先生の説明がよくわかんなくて」
 「あ、『浮雲』なら僕完璧だよ(なぜならば去年その授業を履修していたから)。」
 「本当?教えて教えて」
 「いいともさ」
 というわけで明日までに石原千秋による『浮雲』論をまとめ文書化して持っていかなければならない。しかも明日はテストもある。なんだ、
 俄かに忙しい。


 もっと流麗で端麗で麗しのサブリミナルな人生を送りたいと思う。

【第158話 ヒスパニック・ブルー  2004.7.5(月)】

 辛い毎日だ。しかし、
 あした
 はいいことあるだろう。


 ジャッキーは、本当に久しぶりに海というものを見た。
 「く青く、晴れた空に僕は思う。もう、でさえ、遠い空事。」

 朝焼けの砂浜に座り込み、スケッチ・ブックへ水平線と、燦然と輝こうとする日様をきうつす。色のクレパスで、をえがく。
 小さな犬が、じゃれついてきた。
 孤独なんだな、と思った。
 けど、首輪がついていた。最近では、首輪のついていない犬を探すほうが難しいのだが。
 ジャッキーはしばらく、その犬と戯れた。「犬。犬。いいい犬。犬ぬぬぬぬぬぬ」
 「むけむ、そこにいたの」
 と、背後から声がした。
 犬の飼い主がやってきたのだ。
 「ごめんなさいね」
 「いえ、一緒になって、いでいたです」
 軽く、会釈をしながら、ジャッキーは本当に恥ずかしかった。
 帰ろう、と思った。

 号待ち。いつもドキドキする。飛び出したら死ぬんだろう、と思うと、ドキドキする。
 コンビニで酒を買う。しかし、つまみを買う金がなかった。
 るめが喰いたかったんだけどな、とジャッキーは思った。
 するめは、何度も何度も咀嚼をするから、満腹中枢が刺激されて、意外と満たされた気になれる。
 本もあったら、れだけでしばらくの間は生きていけるような気がする。
 でも、まにはーズなんかもまみたいもんだけどな、とも思ってみる。
 徹底できない。

 自棄になって、話をする。
 彼女は何をしているんだろう。
 四度目のコールで、彼女は電話へ出た。

 「すいません、を一匹お願いします」

 ジャッキーには、これを言うだけで精一杯だった。すぐに電話を切って、力いっぱい、コンビニの屋上に向かって放り投げた。
 死のう、と思った。

 青く青く広がる真夏の空。しかしジャッキーは、来る日も来る日も太陽から降るじめじめとしたい雨に打たれ続けているような気がしている。
 何もいいことなんてないんだ。雨が降らなきゃは出ない。一度でも、本当の雨に打たれなければ。でも、そんな勇気ない。
 「風邪ひくし」ジャッキーは呟いて、苦笑した。
 太陽から降る長い雨。
 びしょれのジャッキーは、それでも、虹が出るのを待っていた。

 あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

 もう酒なんか飲みたくない。
 目の前を黒がよぎる。
 猫が酒んだらどうなるんだ、猫じゃ猫じゃを踊るのか。とジャッキーは思って、アハハと笑った。
 「そんなん見たら、気分もれるかなあ?」
 アハハハアハハハアハハハアハハハ。
 ジャッキーは懐から注射器を取り出すと、腕にあてた。注射器の針は皮膚こまして、ずぶずぶと奥まで挿入っていった。
 「ウハハハ」
 目の前に無数の犬が見える。
 「いいい犬。犬。犬さあ。犬ならさあ。えろ。われ。せて見ろ…aha」
 無数の犬は、ジャッキーに襲いかかった、と、ジャッキーは知覚した。
 「あああうあ、うあうあ、やめり、やめりろ、ばろららら、ごめ、ごめ、ごめ、ごめ。理な令は、う、しません。申、しません。があっががががが。めて。やめ。してゆるる。して。ッパのズムに乗って踊れば盆踊り。ヘイへイカモン。んるるんる。るんるんるるんぶるるぶ東海キョホー」
 犬たちはジャッキーにけしかける。
 「人間。最低の人間。屑。屑。人間の屑、吠えろ。吠えろ。お前が吠えろ。最低の人間。オの雄叫びに、負けぬように吠え
 ジャッキーは、言われるがままに、
 「わ、わ、わ、わわわわ、ーーーーー
 と、吠えた。


 それでも、
 あした
 はいいことあるだろう。

【第157話 ミッドナイトにキッチンでミーはユーにスピーク・トゥーしたかった  2004.7.4(日)】

 ビーくんはエーくんが妬ましい。なんとなれば、エーくんはビーくんよりもあらゆる面で優れているとビーくんは自覚しているからだ。またエーくん自身も、自分がビーくんと比較してほとんどの点で優れているということに気がついている。さらに言えばエーくんは、ビーくんが自分はエーくんよりも劣っているのだと自覚していることを知ってもいる。

 (このことは、周囲の人々がエーくんに対してとる態度と同じ人がビーくんに対してとる態度とを比較してみれば明瞭な理解をえられるだろう。)

 このように、エーくんの意識においても、ビーくんの意識においても、おまけに第三者の意識においても、ビーくんはエーくんよりも劣っている。
 ビーくんがエーくんに対して強烈なコンプレックスを抱くのは当然である。

 エーくんに対して抱かれたビーくんのコンプレックスを、かれはどのように解消するだろうか。

 ビーくんは性格が至極悪辣なので、次のような方法をとる。
 1.どうにかしてエーくんの粗を探して、他人に吹聴をする。
 2.エーくんに対してあくどい言葉を放つなどして虚勢を張り、上辺だけでも対等な立場を保とうと尽力する。
 3.自らを貶め、道化ぶることによって、エーくんの比較対象としての自己を有耶無耶にぼかし、自尊心の擁護に努める。

 だがしかしここで新情報。実はビーくんはエーくんのことが好きなのである。
 だからビーくんには徹底的にエーくんを陥れようとすることができない。
 そしても一つ新情報。エーくんは心優しいナイスガイなのだ。
 だからエーくんもビーくんのことを疎ましいと感じながらも嫌いにはなれず突き放すこともしない。
 さあここでさらに新情報エーくんはとても打算的な性格だからビーくんと交友していくなかで生じるメリットとデメリットを多角的に比較検討し算盤を弾く。
 すると算盤は言う「現状維持が肝要です」と。

 というわけでエーくんはビーくんを基本的には卑下し見下し厭わしく感じながらも最低限の交友を続ける。
 ビーくんはエーくんを妬ましく恨めしく思いながらも友人としてそれなりの友好関係を保つ。

 と、最後の情報が入りました。
 エーくんはビーくんと一緒にいると割と楽しいしビーくんもエーくんと一緒にいると割と楽しい。
 どうやら諸悪の根元、あらゆる間違いの素、妬み嫉み諍い嫌悪等すべての負の関係・感情についての主たる原因は、ここにあるみたいv

【第156話 カス・カス・カスケード・アイ・スクリーム  2004.7.4(日)】

 現在高校三年生である知り合いのweb日記を片っ端から覗いてみた。
 不安になったので、自分が高校三年生の今頃にどんな文章を書いていたのか、顧みてみた。こちら


例) 例えば僕より年下の人が書いている文章。
   たまにそんなものを見つけるが
   ふと自分の1年前、2年前の文章を読み返すと
   その「年下の人」が書いたものよりもずっと拙いものである。
   ということはあと1年或いは2年のちには
   確実に僕はその人たちよりも拙いのである。


 若い。
 でも今読み返すと、この頃の僕って結構面白いこと言ってるよ。
 たぶん大人になったんだろう。「若者がなんかいってらあ」くらいに捉えているような。恐ろしい。
 あの頃のエネルギーよ再び…。


 奥井亜紀さんの『はじめの一歩』という曲を僕は好きで、数日の間そのサビの歌詞をトップ・ページに載せていた。
 そうしたら受験生の女の子から、「あれ読んで元気出たずら。やる気出たずら」と言って貰えて、嬉しい。
 あははー。さすが。

【第155話 スローガン「で、いくら儲かるの。」  2004.7.3(土)】

 平成16年7月3日、劇団破瓜立ち上げ。
 渋谷のルノアール貸会議室にてミーティング。
 (部屋代とコーヒー代は経費で)
 台本を受け取る。
 まあ面白くなりそう。
 で飲み。

 公演は12月1日~5日あたりを予定しているので空けておくように。
 チケット欲しい人はこちらにて先行予約。
 値段は未定だから気にしないで。
 とりあえず予約しといて後で高いと思ったら買わなければいいんだ。
 とりあえず観る意志のある人は。
 場所はおそらく高田馬場~飯田橋の間くらいのどっからしい。

 ジャッキーさんは執行部演劇部門長、役者頭だって。
 下手な人よりは上手く、上手い人よりは下手な演技。

 ま、誰も観たことないような芝居にする予定。だって。

【第154話 残酷な天使のベーゼ  2004.7.3(土)】

 イソアさんが好きです。愛してます。
 インソムニアの略じゃないんです。
 趣味のモノから。

【第153話 針すなおと賢者の石  2004.7.2(金)】

 もしカルビーのフルーツグラノーラよりもトップバリューのフルーツグラノーラのほうが好きだというのならば、
 僕はその人を信じない。
 つきあいたくない。

 だけどそいつが僕の大好きな人だったりしたら僕は差別しない。むしろつきあいたい。


 今までひとつもいいことなんてなくて自分のこと誰もわかってくれないし何かをするたびにうまくいかないし不器用な自分が悲しくて泣いてた
 でも!
 でも、最近はそうでもないなと思えてきたよ。ほんとに。
 毎日一つずついいことを探しましょう。

 今日は、…何かあったろうか。パッと見、何もない。でもよく思い出してみよう。
 うん。たとえば小島信夫の小説が面白かったとか。
 藤枝静男の小説に静岡弁が出てきて面白かったとか。
 夜中にメールしてた女の子がやけにかわいかったとか。
 いいことだらけだ。よし、ドラえもんでも読もう。


 「ジャッキー先生が泣いて喜びそうなものをお持ちしました」と、家庭教師先のお母さんが、ドラえもんラムネを持ってきてくれた。
 「ひゃあ、あ、ありがとうございます」ほんとうに泣いて喜んでしまった。そんなあなたももう二十歳。

【第152話 ブロード・キャスケイド  2004.7.1(木)】

 恋する乙女の日記帳、を、そのままネットにセルフ晒し上げている。人がいる。
 凄惨というかなんというか。
 狂気的な愛情は第三者に飛び火すると、それはまるで硝子の破片のように鋭利な散弾と化して襲いかかるバイオレンス。

 星はまたたいている。
 満天の星空のもと僕は思う。
 明るい瞬間とくらい瞬間があって
 もしも何千という星の瞬きが奇妙に一致したら
 昼間みたいに明るくなるのかもしれない。
 「確率は超天文学的だがゼロじゃない。」と、先生は言った。
 少年の夢は生きている。幾年過ぎても生きている。


 最近良いこと続きだ。早稲田大学に松本零士先生がいらっしゃるというので、授業をサボって二時間も前にその教室に入り込み、最前列ど真ん中の特等席を獲得。すると隣の席(最前列)に偶然にも同じ学科の女の子が座った。どうやら松本零士や手塚治虫が好きらしいので様々の話をしてうち解けた。漫画の力は偉大である。
 ここのところ考えていることとガッチリ関係することを松本零士先生は仰っていた。背中押される感じになって、ますます餅米ションが上がってきた。

 1.生やせるだけ心臓に毛を生やせ
  何が起きても気にするな、うまく行くのが奇跡、うまく行かないのが当たり前。
  一週間くらい前の僕のノートを見ると、「他人に迷惑をかけても動じないくらいの強い心が欲しい」とか書いてある。
  「浅く考えよう」という考え方にも近い。
  松本零士先生曰く、「自分がノイローゼになるくらいなら他人をノイローゼにしたほうがマシ」だそうだ。
  気力が肝要。

 2.なんのために書くか
  使命感のようなもの。僕に決定的に欠けているのはこれだろうな。
  ちなみに松本零士先生は、
  「インキンタムシに悩む人たちがインキンタムシであることを堂々と告白できる世の中にしたい」
  という目的意識を持って『男おいどん』を書いたらしい。だいぶ笑った。

 3.めし喰わざれば力なし
  松本零士先生は「自分の身体さえ元気ならなんとかなる」とか思って青春期の不安や恐怖と闘ってきたらしいです。
  だからめしを喰うことは重要なようです。
  だからめしを喰おうかと思います。

 あ、あ、宇宙へ行きたい。
 奥井亜紀さんや藤子不二雄A先生の時もそうだったんだけど、「実物」(やや失礼)ってのはなんであんなにも力を持つものなのか。
 やっぱり小学生の頃からずっと憧れていた人たちだからとても感慨深いものがある。
 元気になれるや。定期的にこうやって刺激をもらうと、きっといい感じ。
 それだけに手塚先生や藤本先生が亡くなられたのが惜しまれる…。と、隣の席の女の子とも語った。

 がんばっていこう。とりあえず『男おいどん』と『銀河鉄道999』と『ガン・フロンティア』と『宇宙海賊キャプテン・ハーロック』でも読みなおそう。


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