Two is the beginning of the end 第105話~第151話

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【第151話 饒舌な花束とウィニー・ザ・プーのマグカップコレクション  2004.6.30(水)】

 「人生は朝まで生テレビのようなものなんだよ、ウウウウー。不快だー」


 人生ってやつはウィニー・プーだけのマグカップコレクション


 「人生はくまのプーさんのマグカップを集め続けるようなものなんだ」
 ジャッキーでいうと、人生とは、ドラえもんに関連する書籍やグッズ類をひたすら集め続けるようなものなのだ。

 人生とは、大好きな女の子と平穏無事な生活を送っていくことである。
 夏目漱石の『門』に出てくる宗助と御米のような夫婦生活を送りたい。(もちろん妙な過去はないほうが良い)

 Q太郎はU子さんが大好きである。J太郎もU子さんが大好きだ。しかしそこに三角関係は生まれない。
 なぜならばJ太郎のドイツ語の先生の名前もU子だからだ。



 夜中に電話がある。「では内緒、あなたよりも好きな人が他にいるから
 仕方がないのだ。『赤と黒』の登場人物がするような、病的な愛が、そこにないのだから。
 Q太郎がU子さんを愛する仕方は、病的である。
 J太郎もそれに然りなのだ。

 さっきから論理矛盾というか、ちっとも理路整然としていない。
 ある意味でそれもいいね。

【第150話 ツワブキサンシロー主演『69-sixty nine-』  2004.6.30(水)】

 英語の時間。ジャッキーは後ろの席に座ったある男性と会話をしていた。
 「昨日、書道の時間に、女の子が、“ジャッキーはすごい。書道とかもうまそう”とか褒めちぎってて、すると、それを聞いていた体のでかい男が、“いや、ジャッキーはダメだよ。あいつは…”と君のことをひどくけなし始めた。いや、男のひがみって醜いなと思ったよ」
 「その男って、もしかして眼鏡をかけていましたか」
 「かけてたよ」
 「それで、声がでかいですか」
 「うんうん、でかいねえ」
 「ひょっとしたら、とても不細工な男じゃないですか」
 「ああ!そうそう、とても不細工だった」
 「すると、あいつか。いや、心当たりがあります」
 「そうかい。とにかく酷かったよ。あそこまであからさまにひがみ具合をさらけ出すこともないだろうに。顔が悪いだけならともかく、頭まで悪いとなると、どうしようもないね」
 「ですよね」

【第149話 フラれてがんばれ元氣  2004.6.29(火)】

 今まで自分のことを、本当は暗くてじめじめした奴だと思っていた。でもそうじゃないかもしれない。実は、底抜けに明るい人間かも知れない。と思えてきた。そうだ。みんな暗すぎる。それを考えたら僕はなんて明るくて元気なんだろうか。始終ウキウキしている。元気で明るく前向きに、にこにこウキウキしながら、生きていこう。笑顔がだいじ。

 奥井亜紀さんには会えたし、勉強を教えている受験生の子はだんだんやる気と成績とが上がってきて、随分と感謝をされたし、ここ数日気分屋のU子がいやに素直で可愛らしいし、外国へ行ってしまった友達には二年ぶりに会えたし、大好きな科学少女(社長令嬢)にそっくりだと言われるし。何。
 良いことばかり最近。口癖が、「がんばる」になるくらい。
 元気で明るく前向きに、にこにこウキウキとしながら、生きていきたい。
 ほんとに、元気が一番です。笑顔がだいじ。

 周りを包んでいる空気とかがぴりぴりと電気を帯びてくるようなことがあったら思い出そう。「笑顔がだいじ」。


 自分は暗いやつだと思っていたのは、そっちのほうが悲劇性があって良い、とか、みんなに心配してもらえる、とか、そういうよこしまな理由からだと思われる。
 或いは、いつまでも暗い過去を引きずっているだけなのかもしれない。
 今はもうきっと僕はとっても明るい人間だ。

 なんか最近とても痛い。

【第148話 目は口ほどにもない  2004.6.28(月)】

 Stop me Kill Me もう、どうしたら!
 また次のイチを探そう


 君はSexy Sexy, 野生の瞳
 ハートのジュエル


 私の名前をお尻になりたいのでしょう
 でも今思い出せなくてか無しいのです


 あなたが仰る通り海苔んごです


 召しませ
 イイ人たち


 ちゃらんぽらんな人生を
 罪の火事つ


 チャラリーンポラリーンと生きていますが
 最近「よくない」が口癖です。

【第147話 勇気萎え  2004.6.27(日)】

 そういえば、人はそれなりに変わってくんだって誰かが言ってたなあ。
 彼女とは二年ぶりに会った。



 やることがない。とても退屈な、ど白け。

【第146話 菟田野もとVoりゅーむ4  2004.6.26(土)】

 あらかじめ言っておきますが今日のジャッキーは少々痛いです。
 こうふんしているから。

 奥井亜紀さんのらいぶに行ってきました。自発的にチケットをとってらいぶに行くなんて、生まれて初めてです。
 人間が輝ける限界のところまで輝いている人を見てきました。
 とりあえず、9月12日まで生きてみようと思います。
 最初に奥井さんの曲を聴いたときはまだ九歳でしたが、そんな僕もあと数ヶ月で二十歳。
 吃驚しちゃうよ。

 思わぬ(本当はわかってたけど)出費です。
 ドリンク代500円。次回らいぶのチケット代3500円。COCOROTO(通常版)3200円。
 お米10kgで3129円。
 COCOROTOは限定版を持っているのに買ってしまった。もともと限定と通常と両方揃えるつもりだったし
 さいん。

 さいんですよ。
 10年間ファンをやってきて、まさか直接さいんなどいただけて、
 さらにちょっとしたことばのやりとりまでしてしまうなんて、
 まったく考えたこともなかった。
 全身ががくがく震えてしまって、冷や汗がさらさらと。
 感激。やっぱり奥井さんのさいんというと僕にとっては意味が違います。
 なんだかこれだけでがんばれる気がしますよ。

 「一日でも若いほうがええよ」
 と、いわれた。
 一日一日をたいせつに生きていこうと思った。
 先生よりももっとすごい教科書は、なにげない奥井さんのことば。

 アンケートで「好きな曲ベスト3」なんて項目があったけど、残酷な質問だ。
 あしかになってしまいたいとかだいぶ好きだ。

 というわけでがんばってみたいと思います。
 真人間めざして!

 (明日からまた嘘っぱちだらけの文章になるかと思われます。)

【第145話 艶野信さん、凛さん。(ATP)  2004.6.25(金)】

 ミスターワッチアウト 気をつけろ。


 アリさんマークの引越社、というのがあるが、何を考えてそんな名前をつけたのだろうか。恐らく、はたらきアリさんたちが一所懸命ひたむきに働く姿を見て、「よし社名はアリさんマークの引越社にしよう。アリさんはかわいいし、よく働くし、イメージアップまちがいなしだ!」なんて思ったのだろう。くそが。アリがイメージアップに繋がるなんて、こいつらはどんなにヌルい生活を送ってきたんだ?金持ちはこれだから困る。アリってのはねえ、ちっさいゴキブリなんだよ。あんたら金持ちは家アリに悩まされたことなんてないだろうが、我々貧乏人は時に彼らとの共存共栄を強いられるのだぞ。戸棚の砂糖容器の中にアリさんがびっしりとか、割とトラウマになるぞ(僕の家はそこまでひどくありません。念のため)。だから、アリさんマークの引越社という名前をのうのうと掲げている神経が信じられない。アリさんマークの引越社に引っ越しを頼んだら新居がアリだらけになってしまうかもしれないとか思うと、ゾウのマークとかハトのマークとかに依頼したくもなるというものだ。くそが。

 でも赤井英和に罪はない。長井秀和にも罪はない。


 久しぶりに真剣十代しゃべり場を見た。「人生とは朝まで生テレビのようなものなんだよ!」「所詮右翼か左翼かの違いなんだよ!」という天使の言葉を思い出す。「人生とは真剣十代しゃべり場のようなものなんだよ!」「所詮右翼か左翼かの違いなんだよ!」単純化してしまえばそういうことだし、何の意味もない。
 未熟な自我と未熟な論理のぶつかり合いで気分が悪くなってくるのは、たぶんオトナになりきれていないせいだ。も少し歳を取ったらもっと違った見方ができるかもしれない。

 一度でいいから見てみたい。
 「一人称主語を用いないしゃべり場」。
 たぶん、めちゃくちゃ面白い。
 きゃつらの頭の悪さが徹底的に露呈するか、あるいはまったく話が成立しないかのどちらかである。
 前者の場合、その頭の悪さの中に何か一つでも頭に残る意見があればそれでオーケーだと思う。

 ちなみにゲストは江川達也。名古屋市立北高等学校のことを「あの自由な校風が非常に好きだった」と語っていた。ちなみに僕の兄はむかし北高の生徒会長をやっていた。『BE FREE!!』に出てくる学校の校舎は北高そのもの。らしい。あんまり行ったことないからわかんない。
 しゃべり場は10人いて、9人は頭が悪く顔も悪い。でも1人くらいは顔か頭か、どちらか一方くらいはすぐれている人がいたりする。
 今期はカラコン入れてた「あくまでかっこよく」なファッションの女の子(16)が僕のお気に入りである。発言も控えめでほのぼのする。愛知の人なんだっけか。だからか。
 テレビに出ても許されるルックス(顔がではなく、全体的に)をしているのは彼女だけだったような気がする。
 また三ヶ月後くらいに見よう。佐藤瑞花さんラヴリー。

【第144話 純文学(プラトニック・リタラチャー)  2004.6.25(金)】

 空虚な妄想
 虚妄な空想


 蟻の巣コロリの威力に驚嘆。


 かまうものか!外見はおれを愛している。その外見を享楽すればいいんだ!ほんとに、何という美しさだ!
 (『赤と黒(下)』岩波 P131)

 『爆笑問題のススメ』で、たしか桜井章一という人が、「浅く考えろ」とススメていた。
 余り深く考えない方がいいんだ。外見は僕を愛している。その外見を享楽すればいい。
 疑いなんて持っていたらきりがないでしょう。
 ほとんど開き直りに近いが、とても楽である。

 先の引用は主人公ジュリアンのせりふだが、第二部のヒロインであるマチルドも、同じことを言っている。

 あたし、もう理くつっぽいことは考えるのをよそうと思うの。あたしの主人になってちょうだい。
 (下 P218)

 『赤と黒』の見所は、「理性」の大活躍である。それの対立概念は、「本能」ということになるだろうか。
 青春期らしい無限の理性と、巨大すぎる自尊心が、時に本能や感覚(愛欲)を抑圧したりもする。
 その葛藤。繊細に揺れ動く感情の機微。揺れすぎってくらい、揺れる。でも、そんなもんだろうって思う。
 まさに、「人間の恋愛心理の本質」を描ききったな、という感想をもつ。
 ちなみに第一部のヒロインであるレナール夫人の場合は、歳を取りすぎていて、「青春期らしい無限の理性」による抑圧というのはない。
 それではその代わりとして抑圧の種となるのは?もちろん、「信仰」であります。
 第二部ヒロインのマチルドは、ほとんど信仰心を持ち合わせていない。だが、彼女は思春期であって、理性や自尊心が最も大きな抑圧の種。
 「信仰」と「理性」、というのも、『赤と黒』の対立概念として注視に値するかも知れない。
 世界史とかもう忘れちゃって、当時もっていたであろう風刺とか皮肉とかいった類の意味はよくわからない。


 フォルダーのアルバムを聴きまくっていますよ。フォルダー5は好きくないですが。
 ジャカジャカジャカジャカジャンケンポン♪

【第143話 番茶は差別・ティー  2004.6.24(木)】

 腹を割って話す そんなの臭すぎて
 俺たちのやりとりにゃ 見えないルビがある


 この曲知ってる人がいたら、その人はおたくです。
 「薔薇の花も棘も愛おしくて 荒野を走る馬 いなないななく 心と書いて 一途と読ます そんな振り仮名野郎だぜ」
 歌詞合ってるかな。中学以来聞いてない。CDは今、とある女の子に貸し出し中。


 腹を割って話す そんなの臭すぎて
 俺たちのやりとりにゃ 見えないルビがある



 さてと。ね。がんばるよ。
 照れ隠しにルビ付きのせりふを吐いても、相手がわかってくれなくちゃしょうがないんだけど。
 最近は割と素直に話すようになってきたかも。誰のせいだそれはあれだ、まあ、ひっみつ。
 感謝。


 最近ずっと、お腹が減ってる。


 二限が終わると、クラスメイトのある男子がつかつかと歩み寄ってきて、袋ラーメンをひとつ、無言で僕に差し出して、そのまま去っていった。
 僕はその優しさに感動をして、もう二度と、コンビニや生協でうまい棒のまとめ買いなんてするもんかと思った。
 (その男子はローソンでバイトをしていて、うまい棒が大嫌いなのだそうだ。レジ打ちも品出しも面倒だからという理由で。)
 感動と同時に、自分がどれだけ馬鹿なことをしているのか、ということを理解した。
 うん。明日からはおなかいっぱいご飯を食べるようにしよう。あまりといえばあんまりに、ばからしいことをしている。
 目指せ、ジャッキーさん@お腹いっぱい。


 僕は他人の気持ちを考えない人なんだ…。だから、コンビニや生協でうまい棒を十数本まとめて買ったりできるんだ。
 レジ打ちの人がどれほど迷惑しているかということを考えたことがないのか。
 うまい棒が売れれば売れるほど品出しが面倒になるということを考えたことがないのか。
 うまい棒などはこの世から抹消すべきだ。
 いや、うまい棒のせいにしてはいけない。どうしても食べたければ、一つずつ買えば、害は少ない。
 人生はバランスで、何かを勝ち得て何かを失ってく。妥協も肝要。


 そう、人生はバランスで、何かを勝ち得て何かを失ってく
 「何かを捨てて何かを手に入れようなんていうのは二流の考え方だ」と数年前に友人は言ったが、
 「何も捨てずに全てを手に入れよう」なんて思うのは、本当は三流の考え方なのかも知れない。
 (じゃあ、いったい何が一流なんだ?)


 5時間くらい女の子とトークしてた。無駄な時間。だけど有意義な時間。


 「きっとありきたりな風景、だけど非日常的な風景」
 だんだんとね、早朝に一人でファミレスへ行って煙草をすう、なんていうのが、ちっとも非日常的ではなくなってきているんだ。
 昔は夜中に外に出るだけでも冒険だったのだが。
 全てが囁いて「いた」。


 未だに箱の話か。


 真面目になってみます。
 適当だった昨日にアディオース。

 よく考えてみたら、今までに僕が心酔してきた人々って、人生を割と誠実に生きてきている人だ。
 彼らの名前をひとりひとり思い出してみる…随分と恥ずかしい名前が並ぶ。
 …どうなんだろう、彼ら、本当に誠実といえるんかな?まあ、いいや。
 そういうことにしよっと。

 あ。小山田圭吾は最近叩かれてますねえ。人間性が云々って。アハハ。

 だから僕も人生を割と誠実に生きていきたいと思っている。
 思えば、僕の友達がみんなダメすぎるんだな。
 そのダメな空気に慣れちゃって。それが当たり前みたいになっている。
 まずいから、誠実に。

 友達のせいにしちゃダメね。

【第142話 精子薄弱  2004.6.23(水)】

 だからさー。こんなことしてる場合じゃないんだって。
 何もしないでいると、一秒ごとに僕のアイキューは下がっていくんだよ。
 実年齢だけがイタズラに上がっていくんだよ。
 「あの時、徳田秋声を選んだことが、無駄じゃなかったと思いたい。」
 (テクストはまちがわない。)

【第141話 アナクロ少年  2004.6.23(水)】

 Tamaがガンダムマニアで、さらにアニメとか特撮とかがお好きだと知った。やっぱ神様いるかも。うん。神様はいると思った。

 水曜日は五限までで終わりだし、バイトもなくて、ほぼ毎時間かわいい女の子に会えるから、大好きです。
 日本現代文化論。『エロスと精気』は、授業か何かで谷崎潤一郎の『幇間』を扱うらしく、そのために読んでいたらしい。今日は『マゾヒズム』という本を持っていらした。授業が終わって、勇気を振り絞り、名刺を手渡す。さながらナンパ。ジャッキー名刺は9種類あるのだが、悩んだ末、『刻の大地』の十六夜がプリントされたものを渡す。
 もう半年くらい観察しているので、予想はついた。というか、だいたい、顔をじっと見れば、「どれ系」の人か、わかる。それが合ってるか合ってないかは二の次として、とりあえず、わかる。僕は直感的に、「この娘は、絶対に夜麻みゆき作品を読んだことがある!」と、ヤマをかけていたのだ。
 すると案の定「なんで刻の大地?なんで夜麻みゆき?」という反応。自分で自分を褒めたいと思った。

   黒澤明の映画『七人の侍』では相手の力量を試すために突然斬りかかる。
   島本和彦の漫画『逆境ナイン』では、相手の力量を試すために突然剛球を投げつける。

 ジャッキーは私生活で、相手が「どれ系か」を試すために、9種類の名刺を使い分けているのだ!
 (それはあるいはコーネリアスのアルバム『69/96』のジャケットだったりあるいは『魔太郎がくる!』の一コマだったりする)

 やっぱ僕が好きになる女の子は、夜麻みゆき作品を読んでいないとまずいようだ。ああ、いつもそうさ。

 なんというか、みんな、頭が悪いなあ。本当に。
 久々に石原千秋氏の顔を拝んだ。
   J「ところで先生の書く字、読めません。」
   千「そりゃあ、ダメだよ、君」
   J「なにがですか?」
   千「僕の字はコンテクスト依存型だから」
 悔しいけど面白かった。

 今年は石原千秋の授業がない。ないぞ。
 だから図書館に行って、浅羽通明氏が授業で言及していた書物をぞろりと借りてきた。
 この因果関係ときたら!

 帰り道、近所のディスカウント・ストアに寄ったら、とてもかわいい女の子がレジしてた。ついてる。まじでついてる。ついてる。まじでついてる。

【第140話 たをやめぶり ますらをぶり したなめずり  2004.6.22(火)】

 本質的な空腹がジャッキーの実存に肉迫していた。最近まともな食事をしてない。昨夜から何も食べてない。昨夜食べたのは、そうだ、具のない焼きそば。ソースだけかけて、炒めた、やきそば。今夜でお米もなくなるだろう。今夜。今夜は、23時まで家に帰れない。現在持ち金は301円。這うようにして学校に行って、一限が終わると、二、三限は空き。その広すぎる間隙を縫うようにして、襲いかかるバイオレンスな腹減り具合。加えて寝不足。余りにお腹がすいて、眠たくて、いざなわれるように生協に行って、ハッと気が付く。ああ、この301円で、日曜まで持たせなければいけないんだった。うまい棒を三本買った。選りすぐった、チキンカレー。たこやき。蒲焼。音速で完食、味気なし。
 10秒チャージ、2時間キープ。それがうまい棒×3の限界。おなかすいた。おなかすいた。おなかすいた。おなかすいた。おなかすい太。田中すい夫。おなかすいたおなかすいたおなかすいたおなかすいた。ひねもすハングリー。残り270円。六日間を270円。一日に40円ちょっと。余りにもインポッシブルなミッション。空腹過ぎて、喰う、服。
 繊維だから。

【第139話 オッズの魔法使い  2004.6.21(月)】

 一月くらい前にジャケ買いしたshameの1st(買ったときはそれがshameのアルバムだと気付かなかった。何故)がやたら格好良い。自棄になったようなヴォーカルが。そこらにいる普通の青年が、訴えたいことありすぎて、自棄になって、声を限りに叫んでる感じのヴォーカルが。
 かっとかっこいい。

 でも今朝4:00頃に大音量でたれ流していたCASCADEのビデオ『カゲキな暴力』のTamaが世界で一番かっこいい。
 ストップ・モーション・萌え。


 23:00丁度に、(現金は持たずに)100円の割引券だけを持って、家から500メートルくらいにあるブック・オフに行った。ら、何を勘違いしたのだろう、23:00閉店だった。から、仕方なく、そこいらあたりをぷらりぷらと徘徊しながら、『小さな星がほら一つ』を三回くらい歌って、帰宅。23:15。


 デタラメデクラレーション。
 桃井かおり嫌いな人がかなり多い(ひとえにSK-IIのCMでエスケートゥーと発音していることが主たる原因である)
 でも僕は嫌いじゃないぞ。
 それでも、「SK-IIをエスケートゥーと発音しているときの桃井かおりと結婚がしたい!」とは、別に思わないな。


 デタラメデクノボウ
 デタラメデクラレーション
 シング・ア・ソング・イン・ザ・デタラメ・ナ・アメ・ノナカデ

 真夜中。たくさんの猫の鳴き声が外から聞こえる。その中の一匹の声が、どうも、赤ん坊の泣き声にしか聞こえない。ひょっとして、猫じゃなくて、赤ん坊の泣き声なんじゃないか。そんなことを思って、少し、こわくなってきた。
 でも、たぶんこれは、猫の赤ん坊のなき声なんだろうなあ、ということで、納得をした。


 昼間にメールが来て、二月以上も先の約束を交わす。
 「長い休みは好きじゃない。でも、あなたに会えたらそれでいいの。」
 私の自殺は、ふたつきのびた。


 昼間にメールが来て、二月以上も先の約束を交わす。
 「長い休みは好きじゃない。でも、あなたに会えたらそれでいいの。」
 死んでもいい、と思った。明日、ナワを買ってこよう。

【第138話 鼻ティック◇蔵イシス(鼻蔵)2004.6.20(日)】

 (クールに。)とジャッキーは思った。

 どうでもいいんでしょう、なにもかも。
 空回りするのも。体温の上昇も。頬の紅潮も。怯えも。身悶えも。
 輾転反側も。

 ジャッキーは、嘘を付いた。輾転反側、なんてもう、何年間していないのか。
 「そして静かに心は離れていくと
 口ずさむ。心荒む。アラベスク。

 生きてたら、さみしいことも、つらいこともある。
 でも大丈夫。
 カスケードがいやしてくれる。

 「僕にはTamaがいる。」
 ジャッキーが、Tama大好き、と言ったら、彼女は、
 「いつのまにヒスブルの話になったの?」と、答えた。

 「女に興味はないんだ。Tamaが好きだ。」
 「Tamaは女の人でしょう。」
 「やっぱりだめだ。言語が違う。世界が違うんだよ、僕ら。」

 「たぶんそれは。大阪の人と東京の人では、箸と橋、雨と飴の発音が入れ替わるとか、そういったこと?」
 「そうかもしれない。」
 「それならそれは、仕方がないことよ。」

 「でも、犬と猫が交尾をしたって、子どもは産まれないんだ。」
 「あたしは人間よ。」
 「君は人間だ。でも。」

 「なあに。」
 「僕が人間だという保証はどこにもない。」
 「交尾してみたらいいんじゃない?」

 「うん。そうだね。」
 「はいどうぞ。」
 「えい。」

 「きゃあ。」

【第137話 太宰治虫  2004.6.20(日)】

 二人の景色はもう夜明けが近く、ほら、迷子の君と僕に出口が見えてくる。
 つらかった事の方がいっぱいあったけれど、ほら、楽しかった事しか今は見えてこないよ。
 君には新しい僕ができて、僕には新しい君が。新しい二つの君と僕には、新しい暮らしが―――
 「アリガトウ。よろしく、新しい僕に。君と会えてよかった。」


 「全部、やめるつもりでいるんです。」


 それに就いて、さし当たっての難関。まず、女たちと上手に別れなければならぬ。思いがそこに到ると、さすが、抜け目のない彼も、途方にくれて、溜息が出るのだ。
 「全部、やめるつもり、……」大男の文士は口をゆがめて苦笑し、「それは結構だが、いったい、お前には、女が幾人あるんだい?」


 「案外、殊勝な事を言いやがる。もっとも、多情な奴に限って奇妙にいやらしいくらい道徳におびえて、そこがまた、女に好かれる所以でもあるのだがね。男振りがよくて、金があって、若くて、おまけに道徳的で優しいと来たら、そりゃ、もてるよ。当り前の話だ。お前のほうでやめるつもりでも、先方が承知しないぜ、これは。」


 別れもない人生なんて、つまんないでしょ?
 だから、とりあえず、グッド・バイ。


 と、いうわけで、身辺整理を行った後、意中の女の子に交際を申し込んだ訳ですが、にべもなく、断られました。
 要するに、やはりジャッキーさんは彼女など作ってはいけない、という、そういう、メタファ。


 「メタファ?比喩ですか」
 「そう、暗喩です。」

【第136話 しがない親  2004.6.19(土)】

 某宗教団体の会合に呼ばれて行ってきました。
 高3のときのクラスメイトが、熱心な「信者」(と、言うと彼らはいい顔をしないだろうが)で、
 最近ずっと勧誘されているのです。
 鍋を御馳走になりました。
 おいしかったです。
 みんないい人たちばかりでした。
 宗教やってる人たち(特にしたっぱ)って、ほぼまちがいなくいい人であることだなあ。

 信仰に到るまでの経緯などをお話ししてもらいました。
 資金源の話やら詩の話やら、様々賜りました。
 気付いたのは、この人たちは、かなり権威主義的だなと。
 みんな異口同音に
 「世界の一流の知識人が認めてるから、あの人は凄い人なんだ」と言います。
 ゴルバチョフが、周恩来が、マンデラが、認めてるから、だから凄いんだと。
 本当かどうかは知りませんが。
 まあ、
 本当かどうかなんて問題じゃなく、一般の信徒がこんだけ凄い凄いって言うんだから、やっぱ凄いんだろうなあ。
 にしても、どっか、抜けてるね。
 ま。
 DSが萩原朔太郎賞でも取らない限りは、文句は一切ないけど。

 麻原さんは、やっぱ天才だと思うし。
 (むかしクイック・ジャパンに載ってた竹熊健太郎の文章を読むとさらにそう思える)
 「凄いと思わせる能力」は、DSさん、世界一でしょう。

 一通り話が終わり、鍋も食い終わると、
 「じゃ、勤行しようか」と言って、テーブルを片づけはじめます。片付けはじめました。
 そしてお経がはじまります。はじまりました。

 仏仏仏仏仏…(ぶつぶつぶつぶつぶつ…)←珍遊記ふう

 ジャッキーさんの感想:「た、たのしそうだ!」
 僕もやりたいなあと思いました。でも、この宗教に入る気は毛頭ないので、考えた末、
 オリジナル御本尊とオリジナル御題目を自分で作ってみたらどうかと。
 御本尊はやっぱドラえもんね。御題目は、そうさなあ、
 「奇妙奇天烈摩訶不思議奇想天外四捨五入出前迅速落書無用…」

 でも、家に帰ると、すべてはどうでもよくなっていて、電話をしたりめっせをしたりしてあそんだ。

【第135話 小さな星がほら一つ  2004.6.19(土)】

 小さな星がほら一つ。人工衛星のようにくるくる回る人たちと、僕はここで生きている。
 見てる、感じてるままに人生の花を咲かそう。


 小さな星がほら一つ。人工衛星のようにくるくる回る人たちと、

 小さな星がほら一つ。

 小さな星がほら一つ。

 人工衛星のようにくるくる回る人たちと、

 僕はここで生きている。

 小さな星がほら一つ。人工衛星のようにくるくる回る人たちと、人工衛星のようにくるくる回る人たちと、人工衛星のように

 くるくる回る人たちと、

 小さな星がほら一つ。小さな星がほら一つ。

 小さな星がほら一つ。

 くるくる回る人たちと、人工衛星のように、僕はここで生きている。小さな星が

 ほら一つ。

【第134話 腹色の日々  2004.6.19(土)】

 やっぱり僕は真面目にはなれない。
 「結局南極この問題」
 「保留!」

【第133話 特撮・人生・空手・バカボン はびこって  2004.6.19(土)】

 人生の分岐点に差し掛かっているような気がする。
 “適当さ。僕のチャランポランブルーズへの貢献”


 僕の悩みを聞いて下さい→僕はMCジャッキー→On the Entertainment Sonne→ジャッキュー→Fuck you→ ありがと→Thank you→とんち和尚は一休→そもさん→せっぱ


 適当さを捨てる事なんてできないですけどそろそろこの辺で足場を固めるべきかもしれない。
 僕から適当さをとったら何が残るんですか?
 なんか、素晴らしいものが残りそうな気がするんですが、
 でも、なんか、なんかなんかなんか、
 保守的にならざるを得ない。


  (思考の方法に無自覚だと、多くの場合知らず知らずのうちに保守的な立場をとってしまうものなのである。
  “適当さ”とは、“社会における魔女リティに反抗する革命的な態度”だと思って、僕は演じてきたのだろう。しかし、現在、
  “適当さ”を守り通そうとする姿勢それ自体が、じつは、すでに保守的な姿勢になり下がってしまっているのだ!)


 というか、僕がここで足場を固めようとするのは、量的平均値と多数性の中に迎合し溶け込んでいこうとする行為であって、
 魔女リティの中に再び還っていこうとする行為であって、
 いわゆるところの
 “ウルトラ保守”的な生き方を選択するということであって。
 僕が意識の上で革命的インテリゲンチャである以上は、そんなことは許されないですよね。

 ああ。悩ましい。このまま適当に、流されるまま、流れるプールのように、生きていくべきか。それとも。
 ああああ。


 ピンサロだって、いいじゃないか、人間だもの。青姦だって、いいじゃないか、人間だもの。二股だって、いいじゃないか、人間だもの。セフレだって、いいじゃないか、人間だもの。SMだって、いいじゃないか、人間だもの。スカトロだって、いいじゃないか、人間だもの。獣姦だって、いいじゃないか、人間だもの。(獣だけど)


 うーん、やっぱり適当に生きて行くべきなのか。
 でも、最近わかったのは、ある程度の能力や教養を持った人間というのは、9割方はちゃらんぽらんで、適当に生きているのだ。
 適当さから魅力は生まれるのだと言っても過言ではない。
 つまりある程度の能力や教養を持った人間だけの集合で考えれば適当なのはむしろ当たり前なのであって、
 僕が適当であることも実は普通なのである。


 小沢健二は「頑張れ」のかわりに「じゃ、適当に」という言い方を推奨していたが、しかし彼は適当ではない。石原千秋もたぶん適当ではない。太田光も適当ではない。というわけで、「ある程度」から「ある程度以上」に抜け出るためには、まず適当さから脱却することが必要だということなのだ!


 って、なんか高校生みたいな論理の組み立て方。そもそも論理なのか?そもさん、せっぱ。


 あー。どうしよう。だから「付き合って下さい」って言ったのに、遠慮するものだから。武器がなくなるじゃないか。武器が。
 そんなものに頼っていてはいけないっていう、そういう、なんか、メタファ?

【第132話 小泉鏡花  2004.6.18(金)】

 死にたいって最近、言わなくなったのは、本当に死にたいと、思えてきたから。


 いま、遠いところから、わりと近いところまでやってきている人がいて、来週あたり、もしかしたら、もっと近いところまでくるかもしれなくて、今から、とっても、わくわくしている。心待ち。どきどき。二年ぶりくらいだ。そやつは、「君に会えば何か分かる気がする」なんてことを言う。僕もなんだかそう思う。

 僕はかつて、そやつに、「君と手をあわせたら、光りがはっするような気がする」と言ったことがある。
 今は、さすがに、光りだしそうだ、などとは思わないが、なんか、浮かび上がりそうな気は、する。


 「そんな書きかたには速度がない


 自然にしていても、良い関係でいられるわけなのだし、べつに、“関係”を神格化する必要なんてないだろう?
 ばかみたいだよ。陶酔するべきじゃない。普通なんだ。光りもしなければ、浮かび上がりもしないんだよ。僕らは。

 主観的な感情的なことばは、だいたいにおいて、みんなから、醒めた眼で見つめられる。
 やめたほうがいいな。

【第131話 三浦大地を蹴る鋼鉄の救世主は  2004.6.17(木)】

 重松清が早稲田大学に来るんだけどその日は奥井亜紀さんのライヴでございましたよ。まあ、別にあんな酸っぱい重松清なんて見たくもないんですが。
 「僕は負けないぞ」って、今年度15回目くらいの悟りを開いてみました。
 石原千秋くんは、僕がアムロならば、ランバ=ラルである。そうでなくては、いけない。
 世の中には二種類の人間がいて、web日記を知り合いに見せられる人間と、web日記を知り合いに見せられない人間だ。

 才能のない癖に自らを過信するのはやめてください。
 目に見える実績の伴わない矜持は空虚ですよ。

 気分屋と付き合っていくのは、疲れます。その中で熱情だとか愛情は、どうやって体温を保っていったらいいのか?


 ・俺という犬は吠えるのだが熱力学的キャラバンは全く無頓着に進んでいく。
 ・犬たちが吠える時にも恐れずに僕たちはキャラバンを進めていくことにしよう。



 6月11日の深夜から、一銭もお金を使っていない。家にあるものでなんとか間に合わせている。ところが、米があと何合かしかないので、ラーメン(具なし)とか、冷やし中華(具なし)とか、スパゲティ(マヨネーズあえ)とか、そうめん(ねぎなし)とか、喰ってます。飲み物は、麦茶のみ。麺類もそろそろ尽きかけてきた。あと、そうめんが100gとスパゲティが500gと、あとラーメン一袋食べたら終わりだ。あ、でもインスタント豚汁がひとつ余ってたなあ。それにレトルトカレーも一袋だけある。あと数日はいけそうなところが、悲しい。ホットケーキミックスが250gほどあるので、せっぱ詰まってきたら牛乳も卵も使わずにホットケーキをつくってみます。ああ、早いとこ家にあるものを食い尽くさないと、美味しいものが食べられない。なんだこれ。というわけで、どっかで僕を見掛けたらうまい棒の一本も投げ与えてみて下さい。

 アムロである僕は、振り向かないで、宇宙の彼方に輝く星は僕の生まれた故郷だから、覚えているさ少年の日のことくらい。暖かい温もりの中で目覚めた朝くらい。

 頭の弱い女性には辟易します。頭が悪いのは仕方ないんです。白痴は好きです。が、不思議少女気取りとか、勘弁です。
 あと、自ら恃むところすこぶる厚かったり、エロげーの話とかしてカッコつけるのとかは、見てて、恥ずかしいから、やめてよ。
 田舎から出てきた野ザルがメイクして、ギャル語を操って、きゃぴきゃぴしているのは、良い。それは、国家的な財産というか、風俗的な資料というか。
 エロ漫画と宮本輝しか読んでいない男は、いつも僕の陰口ばかり叩くのだが、彼の言葉には信憑性なんてないから、大丈夫。
 でも、それ以上に、僕の言葉には信憑性の欠片もないんだってことを、みんな、気付いているのか、心配になる。時折。
 挫折。蹉跌。汽笛。魔笛。先天的ミュージック。どんなに不景気だって恋はイラストレーション。フラストレーション。ミュージック。ミュージック。

【第130話 ザ・シケイダーズ  2004.6.17(木)】

 太宰治、桜桃。


 生きるという事は、たいへんな事だ。あちこちから鎖がからまっていて、少しでも動くと、血が噴き出す。
 私は黙って立って、六畳間の机の引出しから稿料のはいっている封筒を取り出し、袂につっ込んで、それから原稿用紙と辞典を黒い風呂敷に包み、物体でないみたいに、ふわりと外に出る。
 もう、仕事どころではない。自殺の事ばかり考えている。そうして、酒を飲む場所へまっすぐに行く。



 そんなときは矢野顕子。『GIRLFRIENDS FOREVER』はどうしようもないくらいに名曲だからみんなで正座して聴こう。

 先日我が家に来た上智大学の彼は、カスケードの『なりきりボニー&クライド』を絶賛していらした。うん。鷲も好きだ。



 そもそも何を書こうとしたのか。

 過去って、。
 実際。
 一年は、長い。一年、いや、東京に出てから、八ヶ月ちょっと。正確には、たぶん、半年とちょっと、ということに、なるのだろう。
 誓いなんて捨てられるためにある。約束は破られるためにある。恋は死ぬ。愛は翳ろう。「何言ったって裏返っていく彼や彼女」。名言!
 結局人間は信じられないですよね。

 ノーザンリバーの詞はひどいです。薄っぺらい。『仮面ライター』『何処』『午前九時の独り言』『ぼやき電車』『ほんの一時間前』なんて、聴いていられない。曲は別だから、聴くけど。歌詞もべつに、一聴しただけだと、すこしかっこよかったりもするから、聴くけど。っていうか、むしろ、好きなほうかもしれないけど。でも、薄っぺらい。ひどい。駄目。
 音自体は、嫌いじゃない。『アゲイン2』『青』なんてのは、J-POPの範囲に限ればあれよりすぐれたメロディは作れない、とまで言う人がいる。ん。なるほど。
 歌詞も、これがまた、エネルギーに満ちあふれていて、すごいのがある。変にひねると駄目なんだよ。ノーザンリバーは。うすっぺらい思想しかないくせに「さて社会でもちょっと皮肉ってみようかしらん」なんて思うから、浅薄な言葉のオンパレード。いくない。言いたいことはわかるけどね。それに、その浅薄さのレベルを保たないとアーパーなゆずっこは理解できないっていうこともあるんだろうさ。
 でも僕はそういうの、好きじゃない。要らない。ノーザンリバーの詞を僕が単純にすごいと思えるのは、『夕暮れどき』とかですよ。
 永遠に続くことなんてありえないかも知れないけど/ほんの少しそんなこと信じてみたいんだよ
 ここまで言えちゃうのって尊敬しますね。しかも、照れがない。エネルギーがあるでしょう。これは、浅薄じゃないですよ。うすっぺらくない。だって、当たり前過ぎて。当たり前すぎて、誰も言わないことを、あえて言ってみる、このパワー。尊敬。うすっぺらを突き抜けて、普遍的真理の境地に達しています。かこいい。
 (でもロックサワーのほうがずっとセンスあると思う。)

 で、さて。人間は信じられない。でもまあ、ほんの少し、信じてみたいんですよね。
 神様を信じる強さを僕に。人間さんを見限ってしまわぬように。



 あなたはまちがいなく「アブノーマル」でございます
 あなたの心には「サディスト」と「マゾヒスト」の両方がやどっております。相手により使い分けれるあなたはみんなの人気者である反面、優柔不断の性格であります。今一度、自分をじっくり見直してみてはどうでしょう。

【第129話 埼玉県が生んだオシャレなバンド CASCABE  2004.6.17(木)】

 「ああ、カスケードいい。いく。」

 (一年前と何という変りかただろう)そう思うと、ジャッキーの頬にますます涙が流れてきた。(遠くはなれていると、きっとこうして、人の心から以前の気持が消えて行くんだ。もう帰った方がいい)


 誕生日、おめでとう。今日は君の誕生日。君に歌うよ、みんなで!ラララ。ラララ。おめでとう。(東海テレビ『すくすくぽん!』より)


 去年の今日って何をしていたんだろうな。
 無理矢理フラッシュ・バック。


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2003.6.17(火) 人間は全くの白痴の状態で生まれてくる――J・ロック

松屋にて。


客「松ください。」

店員「松一丁。」

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ホント、何してたんだろうなあ。

【第128話 淫らな先生ション  2004.6.16(水)】

 日本現代文化論では例の彼女の隣の隣の後ろの席に座って、90分間の目の保養。ああ、彼女はまた寝ている。毎週寝ている。図書館でも寝ている。『エロスと精気』とか読んでいる。ときめく。ってか、なんだ。鷲はストーカーか。いや、それに準ずる。偶然ですけどね。
 んで、授業終わって、話しかけようかかけまいか(実際にはそんな度胸などありやしないし、話題もなく、あまり仲良くなってしまって彼女の神性が失われたら面白くない。って、、負け惜しみ。本当は怖いだけ。)迷っていると、後ろから肩を叩く人があって、振り返ると、押しかけ女房の姿が。ああ。
 過去の景色がフラッシュバックするわけで。過去に自分の部屋で僕がぼうっと眠っていると勝手にドアを開けて入ってきた女の子がいて、別にその女の子が嫌いなわけでもないが、まあ、恋する乙女はしょうがない。うん。
 恋する乙女はしょうがない。恋する少年もしょうがない、と思う。

 「何もかもに疲れた、どうでもいい。」それはこっちも同じだ。誰だってそれなりにしんどい。
 客観的なしんどい度なんて問題じゃない。
 自分が辛いか否かが重要。

 ことばはすくなめに。
 ことばは、真実をかくすためにあたえられたものなんだから。

【第127話 フラワービレッジフルムーン  2004.6.15(火)】

 もう少しおとなしめにさ。

 スタンダール『赤と黒』岩波文庫版の225ページを開いて下さい。


 「おやまあ! 勇気までもないのねえ!」とレナール夫人は、すっかり貴族の娘らしい気位の高さを見せていうのだった。
 「自分の勇気についてとやかく言うような卑しいまねはけっしてしないつもりです」とジュリアンは冷淡にいった。「それは卑しいことです。事実の上で判断してもらえばよろしい。しかし、(と夫人の手をとりながら)私があなたからどんなに離れたくなく思っているか、つらいお別れの前に、こうしてお暇ごいできるのがどんなにうれしいか、あなたにはおわかりになりますまい」



 また、ネット上に落ちていた文言を無断で借用する。


 抑制の効いていない一人称主語の文言は醜い。とくにSVCの構文で語られるそれは吐気がする。自意識とは自らを律し駆り立てるものである。アドレナリンと同じだ。SVC構文における一人称主語文は強いアルコールに似ている。適量ならば良い。だが、多すぎれば鼻につくはた迷惑なものとなる。

 「僕って親切な人間だから」

 「わたしって考え方独特なの」

 「俺、ぶっきらぼうなところがあってさ」

 醜い。親切かどうかなんて、独特かどうかなんて、ぶっきらぼうかなんて、そんなものは周りにいれば自ずと見えてくる。これらの文言は、相手に自作した自己イメージを刷り込もうとする恣意的なものととる以外にない。「僕はこうこうこういう人間なんですけどね」といわれた瞬間、俺は思う「お前が抑制の効かない恥ずかしい自意識を持っているDQNだってことだけは分かったよ」。

 「俺、喫茶店に入って苺ショートを頼むような人間だから」

 醜い。


 まあ、別にこの文章が優れているわけでも気に入っているわけでもなんでもないのだが、スタンダールの言っていることと概ねかぶるので引用してみた。
 私小説やエッセイや日記を三人称で書くのも、同じように嫌らしいと思う。
 自分で自分に言及することは、それがギャグにでもならない限りは、だいたい誰かの反感を買う。

【第126話 空メールのススメ  2004.6.14(月)】

 恋人同士で携帯のメールを送り合うっていうのは別に情報を送信しているわけじゃないじゃないですか。極論、それは空メールの応酬でも構わないわけでしょう。(実際にはそれじゃ満たされないんだろうけどね)。メールの文面とか、そこにある情報とかっていうのは、無意味じゃないですか。
 文字なんて無意味なんだよ。文字なんて死ねば良いんだよ。文字に意味がないと思うからこそ嘘八百並べてみるんだっていう話だよ。
 メールもチャットも大嫌いだ。携帯メールとかメッセンジャーとか死ねば良いんだ。もう絶対。
 何も伝わらないじゃないか。もう。死ねばいいんだよ。不器用な人はどうすればいいんだ、文章の下手くそな人=コミュニケーション下手な人ってことになる。するとオフですっごい“イイ人”で通っててもネット上だとただのドキュンだってこともあるわけで。オフでめちゃくちゃ仲むつまじい夫婦とか恋人同士でもインターネットでコミュニケーションすると途端に噛み合わなくなったり食い違いがでてきたりするわけじゃないですか。インターネットとか、死ねば良いよね。
 だからもう空メールでいいんだよ本当に。空チャットでいいんだよ。空白で愛を伝えようぜ。それしかないよ。或いは、音声チャットとwebカメラ導入するか。しかないじゃない。それでも完璧じゃないじゃない。ホント、死ねば良いって。

 文字コミュニケーションの極端に下手くそな人がいます。その人と文字コミュニケーションをすると大抵凹みます。

 空メールでいいや、とか言ったけど、空メールじゃ駄目なんだよ。空メールとか、死ねばいいんだよ。空メールが下手な奴だっているわけだから。要するに電波コミュニケーションが苦手な奴が。「昨日空メール送ったのに返さなかったでしょ」とか「ちょっと。変なところで空メール終わらせないでよ。区切り悪いじゃん。寂しいじゃない」
 ウウウウー、不快だ。


 だからもう電波コミュニケーション/文字コミュニケーションなんて嫌いだ。ここはひとつ皮膚感覚だ。皮膚感覚コミュニケーション。それしかないよ。ああ、誰かの体温と同じになりたい。踏まれたい。足の裏をなめたい。SMがしたいなりゅ。
 ジャッキーさん、だんだん芸風変わってきましたね。素直になってきたのさ。保身的だと言われるのが嫌だから意識的に表層を汚してるんだ。
 バカか。死ねば良いんだよジャッキー。

 なんか最近、自殺のことばかり考えてるらしいじゃない?
 そんなわけないだろう。だって、ジャッキーだぜ?
 アハハハ。
 それもそうだ。意図が見え見えだよ…。

【第125話 い 毛 袋  2004.6.14(月)】

 あーあーあーあーあーあーあーあーあ
 吉永小百合と結婚がしたい。「おゆきなさい」って言ってるときの釈由美子とパジャマパーティーがしたい。「おゆきなさい」って言ってるときの釈由美子と焼鳥屋に行ってつくねをたくさん注文したい。「おゆきなさい」って言ってるときの釈由美子からクラウチングスタートで一気におやつを奪ってやりたい。


 爆笑問題のススメに出演してるときの桃井かおりと結婚したい。爆笑問題のススメに出演してるときの俵万智にひざまくらされて子守歌をきかされたい。

 最高な世界へ最高な世界へ。



 「私ってすっごい神経質でデリケート…おんなじか」
 ところが、わたしはYさんを愛しておるわけですし。
 そしてYさんはわたしを愛しておられるようで寿司。
 だが。だがしかし。だがしかし。だがしかし。だがしかし。しかし。しかし。しかし。


 デス死。

 こんな小説に書かれていることの9割は嘘なんだから信用するなよ。ワタクシショウセツじゃないんだよ。
 そしてこんな小説に書かれていることをそのままYさんに吹聴したり
 あるいはYさんが直接見て勘違いをしたり
 そういうのが迷惑で仕方がないのだ。それで、泣かれたり叫ばれたり、鬱がれたり。自業自得?自らの蒔いた種?
 そんな馬鹿な。そんなわけない。


 じゃあ書かなきゃいいじゃないかと言われるとそういうわけにも行かない。だってそんなのは僕の勝手だからだ。



 「そんなの先輩の勝手じゃないですか」


 ホント、その通りなんだよ。偉いね君は。だけど、




 って、まあ、久々に保身的で思春期。
 っで、“Y”とは何のメタファーか、
 ってね。

【第124話 フラれて衒奇  2004.6.13(日)】

   【題名】
 すれ違い/矛盾
 (両A面)

   【前提】
 ジャッキーは彼女を愛している。
 彼女はジャッキーを愛している。

   【本編】
 「ドイツ語の彼女に慰めてもらえばいいじゃない」と、彼女は言った。
 「え?」
 「おやすみなさい」
 「ちょっと待ってよ」
 ジャッキーには何がなんだかわからないのだ。
 「何」
 「ドイツ語の彼女って?」
 「違った?」
 「違ったって」
 「別に、どうでもいいけどね」
 「何か誤解してるでしょ」
 「何もしてないよ」
 「そう?」
 「じゃないの?」
 ジャッキーは、いったいどっちが質問をしている側だかわからなくなってしまった。
 「んと。なんだろう。彼女なんていませんよ」
 「そ」
 「うん」
 「別に、どうでもいいんだけど」
 「どうでもいいの?」
 「うん」
 「そか」
 「うん」
 「ねえ」
 「なに」
 「僕の彼女にならない?」
 「は?」
 「僕いま彼女いないから、ど?」
 「遠慮しときますわ」
 「そ?」
 「うん。問題でも?」
 「問題はないけど」
 「じゃ、いいじゃない」
 「そか…」
 「そうでしょう」
 「いや、」
 「なに」
 「彼女になってほしかったんだけどな」
 「どうして?」
 「どうしてって」
 「そういうのは身近でつくるものですよ」
 「身近?」
 「遊びでしょ」
 「遊びって」
 「恋愛ごっこでしょ。そういうのって」
 「そうかもね」
 「そういうのは手近でつくって、遊んで、楽しんじゃうのがいいんですよ」
 「そうなの?」
 「そうでしょ?」
 「そうかなあ」
 「わかんないけど。どうでもいいけどね」
 「どうでもいいの?」
 「どうでもいいんじゃない?」
 「じゃ、僕が彼女とかつくって、遊んでてもいいの?」
 「だって、それはあなたの勝手でしょう」

   【要約】
 ジャッキーはふられた。

【第123話 土ぴゅ  2004.6.13(日)】

 泥のような鼻水が彼女の口腔を支配していた。誰にも気付かれないように、同席しているクラスメイトに対してはにこにこと愛想を振りまきながら、必死で鼻から空気を吸い込み、濁った鼻水を口のなかへ押し戻していた。どす黒い、血の混じった鼻水――それは決して鼻血ではなかった――が止めどもなく溢れ出てくるのを、彼女は必死で覆い隠そうとしているのだ。
 「ねえ、さっきから黙ってるけど、どうしたの」
 クラスメイトの一人が彼女に話しかける。今口を開けたら、鼻水だらけの口腔が露わになる。それは彼女にとって屈辱であり、恥辱であり、大陰唇であり、小陰唇である。と、鼻水が喉に詰まった。迫り来る嘔吐感をぐっとこらえて、ついに涙がこぼれた。
 「ねえ。どうしたの。ねえってば。…涙?」
 彼女は突然、立ち上がって、そのクラスメイトに強烈なビンタを一発、浴びせかけ、いちもくさんに駆けだしてその場を去った。

【第122話 1E03E041  2004.6.13(日)】

狩野佑太王国は西暦3175年に偉大なる狩野祐太さまが新天地をもとめた末に現在の埼玉県のあたりに人口3人面積7平方メートルの土地を開墾したところからはじまりましたw
現在の埼玉県のあたりは世界有数の土地の痩せたところで最初はまったく植物が実らず偉大なる狩野祐太さまは隣接する王国をわざわざ訪れては食物をいただいて戻ってくる日々を送っておりましたw
狩野祐太王国は偉大なる狩野祐太さまの他に二人の女性が住んでいましたが実際のところ彼女らは狩野祐太さまのことを軽蔑しておりましたので偉大なる狩野祐太さまが食べ物を持ち帰ってくるたびに「この能なし」と怒鳴りつけておりましたwww
偉大なる狩野祐太さまは精神的な持病を患っており事あるごとに「女子高生に中出ししたい」などの妄言をはきだしたまに二人の女性に襲いかかったりもしましたが非力な狩野祐太さまはいつもこてんぱんにやられておりましたw
早くも狩野祐太さまが建設した狩野祐太王国は風前の灯火でありましたがそれをみかねた全知全能の神様がおりましてその名はジャッキーというのですがジャッキーは夜中狩野祐太さまが寝ているあいだに魔法を使って狩野祐太王国の土地に栄養を与えましたw
あくる朝偉大なる狩野祐太さまが目覚めると庭に以前に埋めたまま放置されていた種から芽が生えているのを発見し一週間も経たないうちにぐんぐん成長してやがてトマトの木となりましたw
トマトは豊潤な甘さを含んでおり売り出すと同時に瞬く間に評判が広がって狩野祐太王国で生産されるトマトには高い値段がつくようになり、そこで得た資金を元手に狩野祐太王国国土は徐々に増えていき王国設立当時に比べて約百倍の七百平方メートルにまで広がるようになりましたw
国土が広がる毎に植えられる作物は増え雪だるま的に生産量が増加していきました。
ある日狩野佑太様が椰子の木陰でオナニィをしていると魔法使いジャッキーが現れました。ねぇ、佑太くん。しずちゃんは喪家だっていう噂だからつきあいを控えた方がいいよ。佑太様は笑って答えました。そんなわけ無いじゃん。しずちゃんはいい子だよ。

【第121話 フォーユーラックンロール  2004.6.13(日)】

君と居るのは嫌じゃないけど話合わせるのはやだよ
君の話はレベル低すぎ だからナニ?うわのソラソラ
悪い人では無いんだけれど分かりやすくてつまらないよ
君の好みはセンス悪すぎ それが何?ウラでゲラゲラ

魅力あふれる君はボクの好みの女の子さ
ホントの話おせじじゃないよ
だけど君の好みとボクにしてみりゃよたっ話は
バカにせずにはいられないよ

君の話はレベル低すぎ だからナニ?やめてゲバゲバ

それでもここに居るよひまつぶしには面白いから
たまにはこんな遊びもいいね
君のマジメな話 あいづち打ってハラのそこで
からかわずにはいられないよ

【第120話 侮れないアドレナリンリン  2004.6.12(土)】

 何もかもに少しだけ距離をおいてみれば苦しむことなんてない。
【第119話 死にかけご飯  2004.6.11(金)】

 とりあえず(トリスタン・イズーの略)、スタンダールの『赤と黒』でも読もう。
 なんか壮大な計画がスタート。赤字は出ないよ。黒字前提で伝説に向かうよ。
 破瓜の血で会計が赤く染まる、なんてオチがつかないように。
 だからとりあえず『赤と黒』。

【第118話 山田微妙  2004.6.10(木)】

 夜、ジャッキーはファミリー・レストランで女の子と食事をしていて、女の子は終電に乗らなかった。それだからジャッキーは自分の部屋まで女の子を連れて帰った。
 「ただいま。」とジャッキーはいった。
 「おかえり。」とその女の子は答えてくれた。
 さみしくなかった。
 それでジャッキーは女の子のことを抱きしめた。
 ジャッキーはさみしいときのことを思い出していた。

 (誰もいない部屋に帰る。僕には「ただいま。」をいう相手もいない。「おかえり。」といってくれる誰かもいない。
  みんなに「おかえり。」といわれたい。さみしいから。みたされたい、さみしいから。さみしい。)

 あかりが消えた。


 ひと晩中女の子を抱いていたジャッキーは、朝まで女の子を抱いていた。そしてその日も、暗くなってしまうまでベッドから出なかった。授業にも出ず、食事もとらず、退廃的な一日だった。女の子を駅まで送って、古書店に立ちよって、コカコーラを買って、
 「死ねばいいのにナア」
 なんて自転車をこぎながら呟く。呆けながらくねくねとハンドルを切っていく。気がつくと、海だった。
 星空と海。
 ジャッキーは水平線をぼんやりとみつめながら思った。
 (海はひろい。宇宙は大きい。)

 「そして、僕はなんてちっぽけな存在なんだろう。
  死んでしまったらいいのに!」


  …海岸って、かなしい人が死ぬためにくる場所なんだ。

  …海岸って、生命がさいしょに足を踏みしめた場所なんだ。

  …海岸って、どんな場所なんだ。どんな。

  ここは、どんな


 ・海岸にはたくさんの人がいた。みんな手に楽器を持っている。
  (海が大きいかどうかなんて、僕にはわからない。でも、海がひろいんだってことはわかる。)

 ・手に楽器をもったすべての人たちは、みんな笑顔で。
  (宇宙がひろいかどうかなんてことは、わかるはずもない。でも、宇宙が大きいんだってことは、なんとなくわかる。)

 ・笑顔で楽器をにぎっているみんなは、ジャッキーのほうをみた。
  (わかる範囲で。わかる範囲で。わかる範囲で。わかる範囲で!)

 ・ジャッキーはすこし恥ずかしくなって、いっしょにジャッキーのほうをみようとしたけど、できない。顔がまっかになる。
  (しあわせなことも、つらいことも。わかる範囲で!)

 ジャッキーは顔をまっかにさせてしまった。
 だけど、みんなが笑顔だったから、ジャッキーも笑顔になってみようとおもった。
 そうしたらジャッキーも笑顔になった。
 (当たり前なんだけど。)
 ジャッキーはみんなになった。
 みんな笑顔だった。

 「ああ、僕の生活なんて。悩みなんて。重たさなんて。
  なんてちっぽけなことなんだろう!この海にくらべたら。この宇宙にくらべたら。みんなにくらべたら!」


 (※僕はいまみんなだから、僕はもう
   ちっぽけなんかじゃない!)


 家の前にいた。
 誰もいないのに「ただいま。」と言ってみた。
 それから、「おかえり。」と答えてみた。
 (僕はいま、みんなだから。)
 さみしくなかった。

 部屋のなかはいろんな楽器であふれていた。
 ジャッキーはうきうきしながら、ひとつずつ。ひとつずつ。その音色をたしかめていった。

【第117話 ウィークエンド・しゃっくり  2004.6.9(水)】

 「九九の練習をしよう」
 「いいとも」
 「八の段でいいかな」
 「三の段がいいな」
 「じゃあそうしよう」
 「お願い」
 「三一が」
 「三」
 「三二が」
 「六」
 「さざんが」
 「九」
 「三四」
 「十二」
 「三五」
 「十五」
 「ダンナ」
 「小柳」

【第116話 卍急須  2004.6.8(火)】

 ジャッキーほど死ねばいい人間もいない。なんで…生きてるんだ、僕は?

あーすっからかんの鞄背負ってまた目を閉じてさ いつでもいいよはじめの一歩はSo, It's easy to go DAYS
僕とともに行こう ハゲ
西からのぼったお日様が東へ沈む。死ねばいいのだ。死ねばいいのだ。
六月に入る。通夜の季節がやってくる。今夜半にも訃報が来るという。
 「捨てよう」とジャッキーは言った。「開き直りも肝要だ」

【第115話 食用うんこ  2004.6.7(月)】

 ジャッキーは覚えたての煙草をふかしながら“彼女”を抱いている。うしろから。
 「Oh! Oh! It's happening! It's happening!」
 とジャッキーは叫びながら、白日昇天。煙草がはらりと口から落ちて、“彼女”の背中に火をつけた。じゅう。
 「Yeah! Harder! I'm coming! I'm coming!」

 「Well, why don't we watch 内村プロデュース together?」
 「Why not, but why?」

 「ジャッキー・チェンが出るのよ」
 「ジャッキー・チェンが」
 「ジャッキー・チェンが」
 「ジャッキー・チェンか」
 「ジャッキー・チェンよ」
 「ジャッキー・チェンねえ」
 「ジャッキー・チェンきらい?」
 「ジャッキー・チェン好きだよ」
 「ジャッキー・チェン見たいの」

 ジャッキーは“彼女”と一緒に内村プロデュースを視聴した。
 ジャッキー・チェンは三カ国語を巧みに使い分けて喋っていた。
 “彼女”はそんなジャッキー・チェンに夢中になっていた。
 番組が終わって、ジャッキーは率直な、禁忌的な質問を“彼女”にぶつけてみた。

 「ねえ、僕とジャッキー・チェンどっちが好きなの?」
 「もちろん、ジャッキーよ」
 「それって。どっち」
 「だから、ジャッキー」
 「ジャッキーじゃわかんない」
 「わかってよ」
 「僕のことだと思いたいな」
 「ふふ」
 「違うの?」
 「ねえ、わたしがいつも、あなたのことをなんて呼ぶか、わすれたの?」
 「…」

 「アハハハハ!アハハハハ!」

 「…」
 「バカね。ジャッキーより素敵なひとなんていないわよ。た・か・や v」

【第114話 回れミギー  2004.6.7(月)】

 月曜日は授業が休みだからデリヘルを三人くらい呼んでパジャマパーティーなのだ。「ピザでも頼んでね」

 「ほら、これ着て」とジャッキーは三人のデリバリー・ヘルス嬢に自前のパジャマを差し出す。
 デリヘルの娘の一人が訝しがった。
 「なによいちいち。どうせ脱がせるんでしょう。脱いじゃえば同じじゃない。面倒臭い。あんたも早く脱ぎなさいよ」
 「誤解だ」
 「何が」
 「全て誤解だ」
 「は?」
 「そうやって他人の心を覗き込もうとするのは常に誤解だ」
 「意味がわからないわよ」
 「ねーねー。パジャマ着たよー」
 他の二人のデリヘル嬢はすでにパジャマを着込んでいる。
 「ねえ、頼むよ。他の娘たちはもうパジャマ着てくれてるよ。パジャマパーティーがしたいんだよ。ピザも頼んだし」
 「はいはい」と、デリヘル嬢はパジャマに着替えた。
 やがてピザが届き、ジャッキーと三人のデリヘル嬢はクラッカーを鳴らしたりして遊んだ。
 「あ、50分経ったわ。さよなら」
 「あ、50分経ったわ。さよなら」
 二人のデリヘル嬢は帰っていった。最後にパジャマを着たデリヘル嬢だけが残った。
 「うちは60分だからあと10分あるわよ。どうする?」
 「じゃあ…」ジャッキーは少し考えて、「こっちのパジャマ着て」

【第113話 夏目創世記  2004.6.6(日)】

 セックスのために生まれたんじゃないぜ。
 ああ、セックス、ドラッグ、ロックンロール。
 全てが満たされなければ意味がないんだよ!

 眠たい。ごくごく頽廃的。ただただ退廃的。闇夜の国に浮かぶ月明かりに照らされて、みんなで踊ろうデカダンス。

 もっとカラッと生きなければならない。
 じめじめしていてはいけない。
 開き直りが肝要。
 駄目人間であることの誇りをもって生きていかなければならない。
 こんな日は俊タンに会いたい。

【第112話 知念里奈改めリネン室  2004.6.5(土)】

 ロンリー誰も孤独じゃないのかい
 ロンリーは僕ひとりかい?


 現代は苦い時代だ。少なくとも現代のお尻にしがみついた僕には、タクヤエンジェルの着物もベルマークもエコマークもノイズ・サウンドもヴィジュアル系ロックバンドも全部愛に繋がっているなんてとても言えない。何者にもなれない自分への苛立ちや不安や焦りから逃げ出すためにただ衝動的に女を抱く。そんな自分への言い訳のために「愛している」と口走ってしまうにすぎない。

【第111話 鰊法  2004.6.4(金)】

 桜木町に帰ります 桜木 ギラギラ
 桜木町に帰ります 桜木 ハナミチブギウギ

            (ゆず『桜木町』作詞・作曲:北川悠仁)

【第110話 百当番  2004.6.4(金)】

 ツナギとメット Cocco 労農 戦 木の蜜 「めっ」て  つなぎとめた心の行く先を見つめて
 月 抜ける 酔うな! そう ライオン ミュール  突き抜ける様な空を見る
 綱 韋駄天の 九十九神 わっ 失礼な いいよ ウニ  つないだ手の温もり 忘れない様に
 ボケッと 西 待って 暇 ココリコ ルカワ  ポケットにしまって 今ここに居るから
 とお! 雑貨 馬 ピノキオ 実を食って 兄弟 キス ギター  遠ざかる町の灯を見送って 今日が行き過ぎた
 他誌 金物だ 毛を剃る 納涼 天に つーか 見たいから  確かなものだけをその両手につかみたいから

            (ゆず『歩行者優先』作詞・作曲:岩沢厚治)

【第109話 渋谷昂  2004.6.3(木)】

 大好きなとあるサイトに、「もっと取り返しのつかないことをすればいいんだ。」と書いてあった。この人の文章はとても好きで、かなりパクっている気がする。ごめんなさい。いや、ともあれ、その言葉に僕は同意。細かい意味とかは違っても、自分もそう思う。もっと取り返しのつかないことをすればいい。

 たとえば今日演習をすっぽかしたなんていうことは、いくらでも取り返しがつくわけで。たとえ友人が授業中に「あいつ昨日酒飲んでて…」なんて暴露していたとしても。(ひどい奴だとは思いませんかみなさん。だから誰からも嫌われるんだ。だから小説もつまらないんだ。西原夢路。まあこっちとしても自業自得だから文句も言えないが。)

 そんなことは明日教授の研究室に行って土下座して他の日に発表させてもらえるように頼み込めば済む話で、もし許してくれなかったらとりあえず残りの授業は全部出席して実はナイスガイをアピールしといて後期の発表を頑張れば(教授との信頼関係が元に戻るわけではないのだが)単位は来るだろう。

 でもそんなんじゃだめ。


 取り返しがつくということがわかると、ついつい取り返したくなってしまう。だけど取り返すためには、たいていはなにか努力をしないといけない。我慢もしないといけない。ところが、僕は努力がだい嫌いであり、我慢がだい嫌い。だけど取り返したい。とてもつらいだ。

 つらいだ。つらいだ。
 つらいだ。

 よし。
 いま自分のなかで文法がふえた。つらいだ。

【第108話 煩悩本能108  2004.6.2(水)】

 ジャッキーは朝から頭がぼうっとしてやりきれなかったが1限から4限までをなんとかこなし、5限はさすがにサボることにして図書館へ行った。明日の演習の資料を集めるためである。更級日記と徳田秋声に関する本を大量に抱えて図書館を出た。実際、明日の演習の準備を何もしていない。帰ってから頑張ってやるしかない。意気込み満タンの帰り道、午後8時前、電話がかかってくる。「なに?来ないの?おいでよ」そう、今日は池袋の天使宅で酒を飲むから来いと誘われていたのであった。ジャッキーは少し考えた後、「んーといったん家に帰ってから折り返し参るよ」と答えた。さて家に帰るとMDヲークマンがない。家中ひっくり返してもない。どこかで落としたんだ。ということで引き返して探すと見つかった。嬉しかった。嬉しかったのでそのまま池袋に走った。そこで待ち受けていたのは…。


 「SMがしたい!」
 「踏まれたい!」

 「SMがしたい!」
 「踏まれたい!」

 「SMがしたい!」
 「踏まれたい!」


 「い、い、意味がないんだよ、意味がぁ、。。。ああぁぁぁっぁぁあああああっっぁぁああ不快ダ」


 「SMがしたい!」
 「踏まれたい!」


 「更級日記なんて書いた奴は死ねばいいんだ!不快だ!っていうかSMがしたい!」
 「踏まれたい!」
 「足の裏をなめたい!」
 「演習なんてどうでもいいんだ、踏まれたい!足の裏をなめたい!」
 「学校なんてクソ食らえなんだよ!そんなんじゃなくて、そんなんよりももっと重要なことがあるんだ、そうだ、踏まれたい、踏まれたいなりゅ!」
 「アナロジーってなんだ?」
 「アナルに関する学問だよ」
 「コンドームにバナナ突っ込んでアナルに挿入されたい!」
 「SMがしたいなりゅ~」
 「みんな死ね!」
 「そうだみんな死ね!」
 「SMがしたい」


 ジャッキーが練馬区の部屋に帰還したのは午前三時のこと。パソコンをつけ、演習の資料を並べて、果てていると、一通のメールが届く。ろくに読まないまま、発信。ルルル。ルルル。君と話がしたい。君と話がしたい。SMなんてしなくていい。SMなんてラララ。ルルル。ルルル。ガチャリ。「はろー」30分後。「おやすみ」ガチャリ。
 電話を置いて、一息ついて。

 「世界は薔薇色なんだよ!薔薇色じゃなければ全てフェイクだ!演習なんてフェイクなんだよ!さようなら」

 そうしてジャッキーは床に就いた。

【第107話 BUCK-TICK featuring 綿矢りさ『ヤガミトール』 in store now  2004.6.2(水)】

 人間てのはどうしてこうも死ねばいいようにできてるんだろうか。


 死ねばいいのに。


 例えば次の日に演習発表があって、まだ何の準備もしてないのに池袋で酒飲んでる自分。


 午前3時に帰宅するもやる気が出なくて女の子に電話している自分。


 それで暫定的なやる気が確実に沸々と沸いてきたにも関わらず


 それから12時間寝てしまう自分。


 死ねばいいのに。


 だがまあしかしそんなことで凹んでいては命が幾つあってもたりない(本当にそうだ)。
 開き直りも肝要だ。
 何も心配要らないよ。
 母さん。
 新しい技ができたんだ。

【第106話 BUCK-TICKはみがき粉、新発売!ヤガミトール配合!  2004.6.1(火)】

   ロラン・ジャルト『恋愛のディスクール・断章』より

 カラオケで感情的青の『ばね~spring~』を歌うと泣きそうになるんです。実際、涙が、涙が、涙が、涙が、涙が止まらなくなるんです。

 君を自転車の後ろに乗せているとたまらなく寂しくなったりたまらなく幸せな気分になれたり。どっちもどっちで、死にたいと思うのはそんなとき。

 酷くても疲れても辛くても死神が恋しくてもとりあえず手当たり次第に世界を把握していく。そのことだけに力を注ごう。思い出したときの防壁作り。

 鈴と、小鳥と、それからわたし。みんな嫌いだ。みんな死ね。

 ずんずんと僕は君を知っていって、ずんずんと君は僕を知っていって。互いの世界の重なった部分だけで、だましだまし、にこにこ生きていく、耐えられない。

 空気って不安の塊みたいだ。吸い込むたびに黒いのが蓄積されていくよ。たぶん排気ガスだろう。たばこは灰色だから健全でいい。

 雨に打たれて、涙がわかんなくなるって、初めて体験したけど、何の意味もなかったよ。だって君には僕の顔が見えてなかったから。

 僕の頬をつたって君の頬まで

 くさい。生ぬるい。耐え難い。死ねばいい。

【第105話 日本標準カレンダー  2004.6.1(火)】

ぼくのいちばんきらいな六月!
一年をつうじて、もっともふゆかいな六月!

なぜだって?わかりきったことを聞くんだな。
六月には、国民の休日が一日もないんだぞ。

春休みとも夏休みとも関係ない・・・、
日曜のほか一日も休めない。
こんなつまんない月があるか!

あああ、ゆううつ・・・。

・・・

・・・

・・・

去年&三年前と同じ内容だ!!

たぶん来年も同じ内容だ。    (C)RITi's WEBSITE

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