Two is the beginning of the end 第67話~第104話

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今週一番のヒット;
“かっこいいジャッキー君が、なんであんな失礼な人物と交友を続けてるんだ”
“ですよね”

(「夢童子の創作の部屋」より無許可転載)

赤 黄色 向日葵 橙 群青 紫陽花 赤 黄色 向日葵 橙 群青 紫陽花 波に漂う 月の光 昏睡の中 月の光 游ぐ 独り 暗い 海を 波に漂う 月の光 昏睡の中 月の光 走る 独り 暗い 空を あなたに逢えるなら 赤 黄色 向日葵 橙 群青 紫陽花 赤 黄色 向日葵 橙 群青 紫陽花 游ぐ 独り 暗い 闇を あなたに逢えるまで 赤 黄色 向日葵 橙 群青 紫陽花 波に漂う 月の光 昏睡の中 月の光 赤 黄色 向日葵 橙 群青 紫陽花 赤 黄色 向日葵 橙 群青 紫陽花 波に漂う

【第104話 傷心料理  2004.5.28(金)】

 「鷲は傷心。でも誰も信じてくれない。だから、傷心証明の旅に出ようと思うんだ」
 そう言い残して、ジャッキーはカンパチの方角へと歩いていった。

【第103話 103  2004.5.27(木)】

 背中に“2”の文字が見える。
 そう、ジャッキーは生まれ変わった。
 今までのジャッキーを“ジャッキー1”だとするなら
 生まれ変わったこの新しいジャッキーは…そうだ、“ジャッキー2”だ!


アバンチュール粉ってけっこういい男なんだなあ。お友達になりたい。
現在「アバンチュール粉」で検索をすると三件しかヒットしないから、こうやって書いておけばうちのページが四件目になる。
するとアバンチュール粉氏本人が「アバンチュール粉」で検索したときにうちのページも覗いてもらえるって寸法さ。
アバンチュール粉さん、僕はあなたの大ファンです。毎週(載ってる週は)大爆笑してましたよ、アバンチュール粉さん。まず名前がセンスありすぎ、アバンチュール粉。
あと「サンソン命」もアピールしとこう。「サンソン命」で検索すると一件だけヒットするけど、これうちのページじゃん。


【第102話 ゲシュタンポン  2004.5.26(水)】

 「セックス、ドラッグ、ロックンロール」ジャッキーは呟いてみた。とりあえずセックスする相手も時間もない。ドラッグする機会も勇気もお金もない。ロックンロールする技術も機材もなかりせば、とりあえずCDを買いまくって聴きまくる。
 「学校ないし家庭もないし、暇じゃないしカーテンもないし。花を入れる花瓶もないし、イヤじゃないしかっこつかないし」
 ロックンロールといいつつテクノを聴き、学校にも行かず、朝から眠る。どんだけ寝たって、もう朝は来ないんだってのに、眠る。

 「アー、レポート書かないと」
 と言いつつ、夜中おもむろに自転車にまたがり食料を買いがてらそこいらあたりをぶらついて、うたをうたう。

 帰宅して酒浸る。「セックス、ドラッグ、ロックンロール」と再び呟く。誰もいない。誰かを抱きたい。誰かの体温と同じになりたい。でも男はいやづら。
 ああ。部屋中引っかき回してもドラッグはパブロンしかなくて、とりあえず服用。そのくらいには自暴自棄。
 んでロックンロールを聴く。

 「鷲はこのまま引きこもりとして人生を終えるのかなあ…夜空のムコウには明日がもう待っているっていうのに。待ってなくていいよ!明日なんて!これから鷲は引きこもりとして生きていくのかなあ…夜空のムコウにはもう明日が待っているというのに。待ってなくていいよ!明日なんて!ああ、明日になんてならなきゃいいのに!ああ、明日になんてならなきゃいいのに!どうせ今夜も金縛りなのかなあ…夜空のムコウには明日がもう待っているっていうのに。待ってなくていいよ!明日なんて!明日なんて!明日なんて、しねばいいのに!」

 どうせジャッキーには牛乳と低脂肪乳の違いもわからない。わからないのになぜか低脂肪乳より50円くらい高価な牛乳を買ってしまったりする。

 そのくらいには自暴自棄。そのくらいには思春期。
 「セックス、ドラッグ、ロックンロール」満たされない欲求。ふれられない肉球。CD買って心、辛うじて繋ぎ止める。

【第101話 王貞治大行進  2004.5.26(水)】

 「死にたいよ」
 「死ねば?」
 「死ぬよ」

 十日後。

 「死にたいよ」
 「死ねば?」
 「死ぬよ」

【第100話 エンドレスリピートの月世界  2004.5.25(火)】

 人生ノープラン、ほざいて。ぷらぷら。でも、焦燥。未来に光!見えず毎夜、輾転。ゴロゴロ。

 友人が僕に言うんだ。
 「暗黒は未来だ。俺は死ぬ以外にない」ってね。

 それで僕も考えてはみるんだ。いつも考えていることを。



 「焦りすぎてるんだよね、僕は。いつも」人生ノープラン、ほざいて。
 ぷらぷら。「一旗揚げるか、はたまた、死ぬか」でも、「死ぬしかないのか」焦燥。

【第99話 性器末~亀頭~  2004.5.24(月)】

 「邪魔だ」男は苦々しく口火を切った。「どけよ!」
 女は男のほうを見ていたが、その場を離れる気は毛頭ないらしい。男は早くも痺れをきらす。
 「君はいつからそこにいるんだ?」
 女はわからない、といったふうにちいさく首をふった。
 「ふざけるない。ここは…」そこで男は言葉に詰まり、唇を噛んだ。「…とにかく、立ち去って欲しいんだがね」
 女は悲しそうな顔を見せる。
 「ここにいられると迷惑なんだ。ちょうど何をするにも障害になってしまうんだよ。こんなところにいられると、仕事も思うようにはかどらないし、思い切って娯楽にふけることもできない。ねえ、ここは…そう、大事な場所なんだよ。俺にとってはね。わかってくれないかな」
 男はできるだけ真摯に説得を試みたが、女はかたくなに動かない。
 「まるで、なにも自らの意志でこんなところにいるわけではない、とでも言いたげだな」男は吐き捨てるように言った。「そして事実、その通りなんだろうよ」
 悔しそうに呟く男に、女は悲しいような嬉しいような、いや、やはり格別の悲哀に満ちた視線を注ぐ。
 「そんな目で見るなよ」男は辟易して言う。しかし、その視線に魅了されているらしくも見えた。「ああ、やめてくれ!」
 女は男を見つめ続ける。
 (あたしだって、好きでここにいるわけじゃないの。あなたが連れてきたんじゃない?ねえ、あなたを苦しませるのは本当に辛い。でも、私は幸せなのよ)
 涙に煌めいた美しい女の瞳がそう語ったかのように思われた。
 「ああ、もうオシマイだ!俺にはもう何をする力もない、敗北だ!早く、早くそこをどいてくれ!離れろ!その場から!そこは、俺の心の一等ダイジなとこなんだってば!」
 船乗りの腕に刻まれた薔薇の刺青のように、男の心は女とともにあった。

【第98話 見込み粉明日  2004.5.23(日)】

 ある日おきさきさまが鏡にむかってたずねました。
 「か、か、か、鏡よ、ああ、鏡!鏡!い、い、いく!…はあはあ。この世でいちばん美しいのは誰なんだェ」
 「それは白雪姫でございます」
 と、鏡は答えたわけなんですが、おきさきさまはポカーンとしています。
 なぜならば白雪姫は絶世の不細工だったからです。とても顔とか気持ち悪いし、くさいのです。

 それではクエスチョンです。
 どうして鏡は、「いちばん美しいのは白雪姫だ」と答えたのでしょうか?

 答えがわかった方はこちらへお書き込み願います。

【第97話 ああ だから さあ GUNIW TOOLSを  2004.5.23(日)】

  『舌先三分サイズ』 jali≠gari(ジャリ≠ガリ)/『舌先3分サイズ』 cali≠gari(カリ≠ガリ)

 行動家 威嚇 質屋に行っては泣かす/構造改革一夜にしてはならず
 キスを、ママン、ダミーでは萎え!/基礎を学んだ身ではない!
 高めの洗濯機買いな インストアナウ/傍目の戦略奇怪なインスピレーション
 押しつけてたたき壊したい・・・いいとも、来い/熨斗つけてたたき返したい・・・暇乞い

 りきが「くにお!」って一戦交えるまで/力学によって一戦交わるまで
 超高速で切り刻め!/不規則的に刻め!
 妻子の骨盤 アダルトなるノックアウト希望/最終決断仇となるのか風貌
 GO!遺書を是非書かしたい/合意書を是非交わしたい

 下僕兄さん/打撲2、3
 ヒットラー打つ打つサルトル/一人鬱々たゆとう
 瀕死だったりして痛い!/倫理団体に問いたい!
 「ウィスキー禁止なんで擬似レイプならできます」/無意識に真摯なんで美辞麗句ならべます
 さっきからバカじゃあるまい/ラッキーカラー赤じゃあるまい
 ましてやアホじゃあるまいし/ましてや青じゃあるまいし
 俺だけがヘラブナ買う!/それだけは選ぶなかれ!

 羞恥の声明文 未知数だけに確信もてず・・・
 無駄に放射 弾道やや低めね
 横に広げつつ 楔打ち込めど見込み違い丸裸
 そして孤高はやや渋め

 横浜で売り飛ばされるぞ!/横面はり飛ばされるぞ!

 羞恥の声明文 未知数だけに確信もてず・・・
 無駄に放射 弾道やや低めね
 横に広げつつ 楔打ち込めど見込み違い丸裸
 そして孤高はやや渋め

 窃盗、乱交、搾取、傷害、覚醒剤、金利の多さ/斥候、乱闘、奪取、法外、達成感、千里の荒野
 すでに退社 金は足りず嫁無ぇ/つねに代謝 風当たり強めね
 記念の足袋・十手・シャツ売ろうと店出しゃぁ十分安パイいらっしゃいませ/二年の旅路で活路を見いだしゃぁ十年安泰いいなぁそれ
 洒落のココロも片腹痛い/彼の孤高を見習いたい

 軍隊朝から良からぬ感じで、猿しばいたかて余は毛は禿げたが/文体模写から予感を感じて、猿芝居の果て夜明けは明けたか

【第96話 /69 地球あやうし!!  2004.5.22(土)】

 5時くらいまで本をよんでいて寝て8時くらいにおきたら9時くらいにつくよってメールがきててあわてて部屋をそうじしていたら本当に9時くらいにピンポーンってなってあせった。ふたりはかっぽう着をはじめとしていろんなおみやげをもってきてくれたのでとてもうれしかった。

  朝〈和風ではない〉
  パン(できれば一斤)←3枚
  牛乳 1Lか250ML→マミー1L
  ヨーグルト(飲まない方)
  夏みかん

  昼〈そうめん〉
  そうめん 1パック
  めんつゆ
  ねぎ、しょうが、かつお節
  枝豆とうふ
  なっとう(しょうゆ・からし付)

  夜〈冷麺〉
  冷麺セット←3食になった。
  卵(焼く・切る) 2コ
  きゅうり(こまかく切る) 1本
  トマト 1コ
  ハム(ほそく切る)
  サラダをつくるか、
  やさいが安かったら買ってきて炒める。
  好きなときに、お茶。

 こんなにゆたかな食材とレシピ、それに買い物かごまで。ねぎがとびだしていてファンシーだった。ありがとう。

 おうちでいろいろおはなしをしてからわせだ大学へむかった。
 演劇博物館とかいろいろみた。
 それからサイゼリヤでごはんをたべた。
 どうやらジャッキーさん、郵便局にはしるらしいです。ああ。血迷った。

 ふたりと別れてからかえり道、またサイゼリアにいって1時くらいまで読書をしたのち唄をうたいながらかえった。

 どうもこういう関係はすき。
 なんかいいカンジ。

【第95話 梵槍と秘果り熨斗ろ  2004.5.21(金)】

 開け放された瞼。瞳孔が開きつつある。その中に君が住んでいる。みんなは、死んでからそれに気づく。

 「出して!出して!
 ここから、早く!」

【第94話 砂利≠我利  2004.5.20(木)】

 「この我利我利亡者め!」


 世界いち品質のよい牛乳を定期的にのんでいたんだ。
 牛乳といったらそれしかないとおもっていて、ほかのいろんなのがみんなインチキにみえて。
 それでも気まぐれで、ひさしぶりに1000ml税込98円の低脂肪乳をのんでみた。
 味もにおいも口あたりも世界いち品質のよい牛乳とは段ちがい。
 だけどなんだろう、べつにいやじゃない。それはそれでありだっておもう。関係ない、まったく。


 きのうからある生物がうちに泊まりにきていたんだ。
 24時間くらいこの家にいたんだ。
 その生物は長いかみの毛のほかはなにもみにつけていなかった。
 ふたつの足でたっていることができないみたいだった。
 その場ですわっていることすらも大儀そうにみえた。
 だからぼくらは始終よこになって音楽をきいていた。
 でも、その生物が音楽というものをしっていたのか、ぼくにはわからない。
 だからもしかしたら、音楽に耳をかたむけていたのはぼくだけだったのかもしれない。
 いやきっと、そうだろう。
 だって外では雨がふっていたから。

【第93話 ダンカンの世代  2004.5.19(水)】

 「もう、あなたって、本当に、ダンカンなんだからッ」

from「言葉などもう無いだろう!」to「勇気を出して歩かなくちゃ!宝物をつかみたいから!心すっかり捧げなきゃ!いつも思いっきり伝えてなくちゃ!」
言葉に意味なんてもう何もないんだから、言語的コミュニケーションばっかりに依存することはやめようと思う。なんて、なんて、なんて自己中な考え方だろうね、なんて。だからやめよう。
なぜかキケンなにおい。なにもきけない私。だけど不安なカンジ。そして、うつむく二人。ああ!あしかになってしまいたい。あなたのつぶやきをきける。ああ!あしかになってしまえたら、失恋も芸のうち。
愛はね、待ってるだけじゃ、もらうばかりでは育たない。

[譲り合い週間]
先をどうぞ、ダルいんで。(C)夕才

他人への中傷、というか文句は大好きだ。
「何か真面目な話を記述していて、その真ん中に全然関係ない話題を挿入してクッションにする、っていうやり方は、僕も割と好んで使うなあ。と思った。」
これって中傷なんか?


【第92話 誹謗中傷家の人々  2004.5.18(火)】

 友人“E”を晒し上げた第90話に苦情が舞い込んできた。「他人の誹謗中傷のみに終始していてけったくそ悪い」という旨だった。久しぶりに叱られて、「申し訳ないが気分がいい。もっとどんどん叱って下さい。どんどん。どんどん僕を。」

 ダメな奴にはダメだと言ってやるしかない。むかつくことは多いけど、むかつくだけじゃ「世の中はよくならん!」(誰れ?)そしてネット上でやると何だかしらんけど効果がある。(ジャッキーには“実績”があるものだからそう思い込んでしまうのだが、果たしてそれがどこまでの普遍性を持ちうる経験則であるのか…。)

 そうかああいうのを誹謗中傷というのか、とジャッキーは思った。ううん確かに今読み返すとけっこう感情的だ。ヒステリック。まずいなあ。でもまあいいや。仕方ない。本人から苦情が来たら消します。見てないはずがないから。

 ジャッキーの友人“E”に対する批評も、また今回ジャッキーを叱ったある友人の批評も、素晴らしい批評だとジャッキーは思う。そういったことでこじれる間柄ではないからこそ実現しうる訳で、逆に言えばそういったことでこじれるくらいの関係ならいらないわけで、一生こじれたままでいたほうが後々も気が楽である。

 しかしあれを誹謗中傷と呼んでしまうのなら、せめて友人“E”個人への中傷などではなく、自慢げで嘘吐きなダメ連中全般への中傷でありたい、とジャッキーは望む。
 「修行しないと」

【第91話 アルベール・カミュ初のベスト盤『ベスト』発売決定  2004.5.17(月)】

 「僕は何にもわかっちゃいないのか。いや、わかってるんだ。わかりすぎてるんだ。でも違ったら嫌だから言わないだけなんだ。きっとそうだ…。
 自信はないけれど僕は君のことならばたぶん誰よりもよくわかってる、わかりきってるはず。はずなんだ…。
 本当は僕にもっともっと愛して欲しいに決まってる、だけど我が儘言わない、遠慮してるんだ。たぶん…。

 ほら、見てるなら見てるって言ってよ!

 僕が見えるだろう?
 本物かどうかもわからない僕を見て、毎日煩悶しているんだろう?

 もっと素直になればいいのに。
 もっと欲張りになればいいのに。」
 愛してるからといって甘えてないで。



 エンディング・テーマの『PASSION』が流れ始めたので、ジャッキーはテレビを消した。

【第90話 カフカ 『心配』  2004.5.16(日)】

ねーねーでも×3 博識ぶってさぁー
あっちもこっちも知ってるふうな
口ぶりボロが出ちゃったりしてね
フラフラスキップ×2



 ジャッキーは、非常に物憂かったが、それでも友人の出演する芝居を鑑賞せんがため会場へと赴いた。別の友人“E”もそれを観に来るはずだった。ジャッキーは開始時間二分前にハコへ滑り込む。ちっぽけな客席に三十名ほどが座っていた。一人一人の顔をなめまわすようにして見回してみる。しかし、友人“E”の姿はない。電話をかけようかと思ったが、会場は地下にあるため電波が届かない。やがて扉が閉ざされ、客電は落とされ、音響も高まる。いよいよイリュージョンの始まり。しかし…彼はまだ来ないのだ。

 ジャッキーは途中から一人の女の子に釘付けになっていた。ダンスも演技も一人だけ飛び抜けて上手だった。ジャッキーはずっとその女の子のことを見ていた…、他に見るべきものもなかったからだ。終盤になってその女の子の出番が急激に増えたため、最後の五分間は割と見られるものだった。しかし如何せんシナリオと演出が冗長かつ常套過ぎるものだったので「終わりよければ全て良し」ということにはならない。が、カーテンコール後のラスト・ダンスで音響に東京スカパラダイスオーケストラfeaturing奥田民生の『美しく燃える森』が使用されたことと、それに合わせ踊る先の女の子の魅惑的な表情とが琴線に触れたため、ジャッキーは割と満足をして二度目の拍手をした。

 やがて灯りがともされ、ジャッキーは再び客席を見渡す。やはり友人“E”の姿はない。当然だ。上演中に人の出入りは一切なかったのだから。ジャッキーはアンケートを書き終えると客席を立ち会場の外に立っている役者の友人をねぎらった。注目していた女の子は終始赤いシャツの男と行動を共にしていたので何だか切なくなり、ジャッキーはすぐにその場を後にした。

 地上に出て、友人“E”にメールを送る。《どこにいるんだ。何をしている。》すると、すぐに返信が帰ってきた。
 《君こそ》
 《僕は観ていたよ》
 《途中退出したオレ(笑)》
 やれやれ、とジャッキーは思った。また始まったよ。友人“E”の悪い癖だ。
 《ぬかせ。で、今どこ》
 《中だるみしたとこでちょうど呼び出しかかっちゃって。今から戻るよ》
 ジャッキーは思わず溜息をつく。何が中だるみだ。あの芝居を最初から見ていたならば、「中だるみ」なんて言葉を使うはずがない。
 《サイゼにいるよ》
 とメールを送って、ジャッキーはミラノ風ドリアを注文した。

 友人“E”は知ったかぶりが激しい。嘘ばかり吐く。知らないことでも知っているような顔をして話を合わせてくる。それがジャッキーには丸見えだから、いつも面映ゆい。知識の無い奴がムダに博識ぶっていると必ずボロが出る。このごろはジャッキーのほうから罠を仕掛けていくこともしばしばだ。
 例えば、一緒に古本市を覗いている時に群ようこの本を発見して、ジャッキーが「あ、グンヨウコだ」と言う。すると、友人“E”は「ホントだ」と言う。この時点で友人“E”は失敗している。恐らく彼の頭の中はこのようだったろう。「あれ、これってグンって読むんだっけ。ムレとも読めるけどな。でもこいつがグンと言うんだからとりあえず合わせておけばよいだろう」友人“E”のこういった思考の状況を念頭に置き、ジャッキーは性根悪く続ける。「グンヨウコ。グンヨウコ。いやね、僕はムレヨウコは読まないんだけどね、もしこの本がムレヨウコじゃなくてグンヨウコの本だったとしたら、間違いなく即買いなんだけどな」と呟く。すると友人“E”は「いや、そんなことはないだろうね。そんなことはないだろうけど、そうだったら面白いよね」と言いながら群ようこの本を手に取り、奥付に目を通すと、「やっぱりムレヨウコだったよ。残念」と言った。確かめちゃって。ジャッキーは心の中で爆笑をした。
 またこんなこともあった。校舎のエスカレーターを登っているときだ。「昨日『ドイツ・イデオロギー』を買っちゃってね」と友人“E”が言うので、ジャッキーは「ああ、マルクスか。それじゃあまずヘーゲルを読まないとね。『ドイツ・イデオロギー』の大半はヘーゲル派の批判らしいから」すると友人“E”は恐ろしい返答をする。「ああ、そうらしいね」すっとぼけた顔をして、続ける。「いやね、ヘーゲルはこないだ読んだんだ」「本当かい!ヘーゲルなんて読んだんだ!尊敬しちゃうよ。すごい、すごい。で、何を読んだの」「それが、タイトル忘れちゃったんだよねえ」ヘーゲルを読んでタイトルを忘れるなどということがあるだろうか。ヘーゲルなんて普通はよっぽど苦労をして読む本だから、五時間や十時間では決して読めないだろう。長い時間顔を突き合わせて読んだ本のタイトルを忘れる、そんなことがあってたまるか。ジャッキーは、そこにどんなことが記述されていたか問おうとしたが、どうせ忘れたとか、口で説明できないんだよねとか言って濁されるのがわかっているからやめた。その代わりに、別の質問を投げかけた。「ヘーゲルってアレだよね、ほら、“人間は考える葦である”って言った人」「そうそう」何がそうそうだ。それはパスカルだ馬鹿者。「あとなんだっけ。“我思う、故に我あり”、とか言ったんだよね」ここで友人“E”はかなり混乱したらしく、「うんうんそううん」などと曖昧な返事を積み重ねる。ジャッキーはこのあたりでやめておいた。

 ややあって友人“E”がジャッキーの座っているテーブルにつく。
 「いやいや」友人“E”は早速話を始める。「バイト先から呼び出しかかっちゃってさ」
 ジャッキーは、嘘吐け。と言いたかったが、とりあえずこらえた。
 「ふうん。で、芝居どうだった?」
 「オレはノーコメントを貫くよ」
 ジャッキーは心の中で嘲った。丸見えだ。片腹痛い。
 「途中までは観たの?」
 「うん。あんまり覚えてないけどね」友人“E”はどんなことでも「忘れた」ことにするのが好きだ。「そしたら電話が鳴り始めてさ。出て来ちゃったよ」
 「圏外だったよ?」ジャッキーは意地悪く言う。
 「いや、オレの携帯はちゃんと電波入ってた」
 「嘘吐け」ジャッキーは痺れを切らして言った。「地下二階で着信ってか?」
 友人“E”の顔に一瞬翳りが見えた。「いや、でも入ったんだよ」
 「あ、そう」ジャッキーは冷たく言った。「で、芝居はどうだった」
 「いや」友人“E”は顔の前で手を左右に振った。「あれはどうなんだろうねえ。あんまり覚えてないけど」
 「観てないくせに」
 「いや、観てたって。最初のほうは」
 「じゃあ最初のシーンがどうやって始まったか言ってみなよ」
 「覚えてないなあ」
 「いや、それ頭悪すぎるだろう」
 「ってかね、始まる前に出たんだ、うんそうだ。覚えてなくて当たり前だ」
 「そうなんだ、でも、じゃあ半券持ってるよね?」
 「ああ、半券ね」
 と、言って、友人“E”はカバンの中を探すフリをする。
 「もし持ってたら信じるけどね」
 案の定、半券は持っていなかった。
 「わかったよ。観てなかったってことでいいよ」
 「ことでいいっていうかさあ」ジャッキーは呆れた。「何でそんな嘘吐くわけ?」
 「なんでだろうねえ」
 「バレバレだよ。いつもいつもさあ。嘘ばっかりじゃん。知ったかぶりばっかじゃん」
 「オレ、そういう男だから。オレは嘘ばっかり吐く男だよ」
 開き直って、恥ずかしさの極みだな、とジャッキーは思った。しかも自分に「嘘吐き男」というラベルを貼り付けることによって自分自身に言い訳を、いや、もしかしたら、自己陶酔さえしてる気があるんじゃないのか?
 「やめたほうがいいよ。恥ずかしいから。みっともないよ」ジャッキーは諭すように言う。「君は群ようこの読み方を知らなかったし、“人間は考える葦である”と言った人物も知らなかった。知らないときは知らないって、正直に言えばいいのに」
 「いや、群ようこは知っていた」
 「知っていたような気がしてたんでしょう?奥付で確かめちゃったりなんかしてさ」
 「確かめないと不安なんだよね」
 「考える葦は?」
 「アレってヘーゲルじゃないよね?帰り道で気が付いたけど」
 「ヘーゲルなわけないじゃん」
 「なんだっけ。えーと、デカルトだっけ?」
 「はは」ジャッキーは阿呆のように笑った。
 「違う?」
 「パスカルだよ」
 「あーそうだ」
 もう言葉も出ない。水を一口飲む。もしも「カントだよ」と答えていたらどうなったのか。ジャッキーはそんなことを考えた。嘘を吐くなら上手にね☆あと、言い訳は極力なくすこと。

【第89話 魔神サイレンが僕の頭の中で叫んでる  2004.5.16(日)】

『少年Jの散歩』



 煩い
 サイレントなサイレンに
 耳も塞げない



 心配するな どうせ人は浮気
 アイツだけじゃない
 君も 僕も
 しねばいい



 しぶいぞ緑茶
 …出すぎた真似を!



 うじゃじゃけた顔
 して
 どうしたの?



 死活問題としての危急かつ希求なる原初的な欲求があります
 そしてそれに付随する副次的な欲求があります
 それらはたいてい訳の分からない欲求です
 (しねばいい欲求です)
 原初的な欲求がどうしても満たされないとき
 妥協して
 副次的欲求にすがりつくのだと思います
 そっちのほうが簡単だから
 そっちのほうが簡単だから
 でも
 満たされるべき欲求の部屋が増えて
 それでいつかまたからっぽになって
 またフラストレーションがたまっていくよ
 別に望まなければいいのに
 いいのに
 いいのに
 からっぽの部屋はひとつでいいのに
 ときおり満たされるなら
 それでいいのに
 なのに
 まったく
 妥協して
 いいことなんてない

【第88話 8888年88月88日  2004.5.15(土)】

 ジャッキーは萌えている。『心音符』(こころとふ)というDVDを観て。なんでこんなに可愛いのかよ!と三村マサカズ風に突っ込んでみている。奥井亜紀ラヴなのでライヴのチケットでも取ろうかと考えている。ファン歴十年。年に何回か必ず浴びるほどに曲を聴きまくる。

 昨日のジャッキーはとてもへこんでいて、魂がドブの底を流浪していて、けったくそが思わしくなかった。そこで引きこもり気取ってインターネットに精を出していた。奥井亜紀さんのweb日記を開くと、そこには「ほんとに、元気が一番です。」とだけ書かれていた。たった一行。とりあえずジャッキーは元気になった。

 「不必要に名前を出して宣伝。僕にできるのはこんなことくらいだ。まるで選挙前にならないと電話もかけてこない公明党支持者のようだ」


 尻滅裂だ。尻滅裂。
 尻の穴の中へ…。尻の穴の中へ…。


 ジャッキーが台所で洗い物をしながら「僕たち国家の猥褻物」と大声で歌をがなっておると子どもたちの笑い声がする。「まーどぜーんかーい」と叫んで笑う。確かにジャッキーの家は窓が全開である。気にせず洗い物を済ませ、洗濯をするために外に出ると(ジャッキーの家は洗濯機が家の外にあるのだ)、丁度子どもらが玄関の前できゃいきゃいやっている。ジャッキーの顔を見ると奇声を発して逃げ出す。何だというのか。きっとジャッキーの上機嫌な歌声を馬鹿にしていやがるのだろう。ばかにしていやがる。洗濯機のスイッチを入れふと横をちらりするとフェンスの向こう側から先ほどのガキ共がこちらを見つめてにやにやとしている。目が合うとやんちゃそうなおかっぱの少年がこう言う。「はがねポケモンは、歯がねー」キャハハと笑って走り去る。なんなんだ。
 家に入ったジャッキーは窓を閉め、カーテンを閉め、ガスの元栓も閉めると、鍵を持って、再び外に出た。家の近所、そこいらあたりをぶらぶらと歩いてみる。案の定最寄りの曲がり角でガキ共は待機していた。そしてジャッキーが近づくとやはり逃げ出す。ジャッキーは憤慨もせずぼけぇっとした表情でそのまま歩いて追いかけた。当然見失う。特に追跡を続ける理由もないので町内を一周して家に帰る、と、ガキ共がジャッキーの家のフェンスによじ登って不法侵入を企てんとしている。コラーと叫んで雷を落とす、理由もないので、ゆっくりと歩いて近づく。そしてまた蜘蛛の子のように散っていく。が、青いシャツの少年だけが逃げ遅れた。ジャッキーは青いシャツの少年に声をかけた。
 「別に僕は悪い人でもないんだから、逃げなくてもいいのにね」と。こういう奴ほど悪い人だったりするのだが青シャツ少年はまだ年端もいかぬので人生のイロハを知らず、ジャッキーの言葉にただこくんとうなずく。無邪気。ジャッキーはその場にしゃがみ込み、しばらく青シャツと対話を交わしておると、仲間の少年たち二名が曲がり角からこちらの様子を窺っているのを発見した。自分たちが見とめられたことがわかると少年らはごめんなさいといったふうに両の手を合わせてぺこぺこし始めるので、ジャッキーはOKサインを指で作ってちらちらさせてから少年らに手招きをした。少年らは両の手のひらを顔の前で合わせたまんまで突進してくる。ジャッキーはもう一度指でOKサインをつくりちらちらとそれを強調した。少年らは安心したようだった。
 それから一時間か、二時間か、ジャッキーは3人の少年らと遊んだ。ポケモンの名前を言い合ったり『コロッケ』やウルトラマンの話題で盛り上がったりなどして楽しげに時間を過ごした。長い木の棒や、キックボードや、地面などを利用して色々に遊戯した。おかっぱ少年の家はジャッキーの住むアパートのはす向かいで、ジャッキーはその家の玄関で寝ている犬を毎朝毎夕目撃していた。その犬は雌犬で名はリンダと言った。ジャッキーが毎朝毎夕見掛けていたリンダというシベリアンハスキーの雌犬は冬でも毛が抜けるらしい。おかっぱ少年は「ないしょだけどね」と言ったあとに小声で驚くべき事実を教えてくれた。「ないしょ」だと言われたからにはジャッキーは誰にも言わないつもりであるが、たまたま私にもおかっぱ少年のひそひそ声が聞こえてしまったのでここで公開しよう。「あのね、リンダはねうちのおかあさんのぱんつとかぶらじゃーとかたべてげろするんだよほんとだよ」言い終えるとおかっぱ少年はジャッキーの耳から顔を離し、少し大きな声で「ほんとなんだよ。朝起きたらこのへんにあるの」と言って玄関の扉の前を指さした。
 それから青シャツの少年がリンダに餌をあげたいと主張したのでみんなでにぼしを与えた。リンダに向かってにぼしを投げると見事に空中で捕らえ喰う。ジャッキーも投げさせてもらった。何回かうまいこといった。リンダのお腹がいっぱいになるとおかっぱの少年はみんなに一匹ずつにぼしを渡して「食べていいよ」と言った。ジャッキーはにぼしを食べた。そこへおかっぱ少年の祖父が通りかかって同じようににぼしを受け取って、喰った。ジャッキーはおかっぱ少年の祖父に会釈をした。
 少年たちは練馬区富士見台のほんとうに狭くるしい路上で遊んでいた。道の大きさや雰囲気は『ドラえもん』に出てくるあの町と同じような感じだと想像してもらえると具合がいい。ひょっとしたらあれよりも田舎に見えるくらいかも知れない。ほんとうに遊ぶ場所がないのかな、とジャッキーは思った。
 ちっぽけな路上で少年たちは叫び、跳びはねて遊んでいた。ジャッキーがいくつかと歳を尋ねると少年たちは七歳だと答えた。若すぎてジャッキーは苦笑した。七歳の少年たちは時おり難しい単語を口にしたが、意味はよくわかっていないらしい。おかっぱの少年は大まじめな顔をして、「キックボードは機械じゃないよ、でも鉄でできているもののことをコンピュータっていうんだよ」と言った。ジャッキーの顔は少しほころんだ。しかしその言葉を否定はしなかった。
 「怪物って本当にいるんだよね?」と少年がたずねれば、ジャッキーはたぶんそうだろうと言った。
 「電線に触ると感電するんだよね、ガイコツが見えるかな?」と少年が問えば、ジャッキーは、自分は感電している人間を見たことがないからわからないが、もしかしたらガイコツが見えるのかもしれない、と答えた。少年たちはわくわくと戦慄していた。
 こういう色んな可能性たちも、やがて一本に絞られていくんだな、とジャッキーは思ったが、陽の光と隣家から聞こえてくる子どもの手らしいとぎれがちなピアノの音色があまりにも優しかったから、終始ジャッキーのその笑顔は消えることがなかった。あたたかすぎる初夏の午後、ジャッキーは半袖のシャツを着ていた。

 家に帰るとジャッキーは掃除を続行した。たぶん清々しかった。言葉なんて本当にどうでもいいんだと思った。何かに拘泥することに根拠が存在すると腐っていくんだとなんとなく思った。理詰めの生活の中で、感じる光が優しいのは、余りにも無邪気が素晴らしいから。自覚された愛なんて要らないなって、ジャッキーは思った。

【第87話 オーザック[RMS-106O]  2004.5.15(土)】

 今日聴いた音楽について:
 中村一義イイ。忌野清志郎は当然イイ。ユニコーンも依然好き。カリガリ最高。カスケード良し。小泉今日子ナイス。メリー良し。蜉蝣良し。町田康イイ。ワイヨリカノーコメント。

【第86話 精子バンクバンレッスン  2004.5.15(土)】

 もう女なんかどうでもいい。今、グニュウツールが熱い。

【第85話 華屋4へぇ  2004.5.14(金)】

 誰かのせいで辛くなるのなら迎合しよう。追従しよう。とことんまで相手に合わせて生きよう。
 相手が求めることをしよう。

 と、思う。



 だからもうわがまま言わないでおく。
 我慢はキライだけど別に
 さっきまで我慢だったことが今そうでないなんてことはよくあるんだから。


 言葉が求められていない空間でべらべら喋り続けるなんてことは虚しい。空回り以外の何物でもない。

 言葉を必要としなくても通じ合える関係であれば、
 言葉なんて蛇足だし。

【第84話 エンゲルス系う  2004.5.13(木)】

 早稲田大学教育学部国語国文学科の津本信博教授は独特の口調で言う。
 「源氏物語には、天の目があるじゃないですか。天の目が見てるっていうんですよ。神様はちゃんと、見てるっ、ていうんですよ」



  人生は主観だ、と言います。
  自分の思っていることが全てで、その他には何もないと。
  つまり人がどう思っていようと本当は自分がその人はこう思ってるんだと思い込んでることだけが存在しているのだと。
  他人が本当はどう思っていようと、自分が思い込んでいることしか存在していない。


  ここではそれを主観絶対主義と呼ぼうか。
  僕はそれに反して宇宙的な考えというのを知っています。
  なぜ宇宙的なのか、よくわからない。
  この考えを宇宙という言葉を用いて表す理由は、実は僕にもよくわかっていないのだ。
  ただなんとなく、絶対「宇宙」なんだというある種の強迫観念に近い何かがある。ただそれだけ。
  それくらい宇宙はでっかくて、不思議で、得体の知れない。
  だけどもし僕がこの考えに宇宙という言葉を使ってしまう意味を無理矢理表現してみるなら・・・。


  例えば僕らが夜空を見上げるとき、そこには宇宙がある、はずである。
  でも僕らが見ているのはやっぱり、星であって、月であって、・・・単なる黒い色だったりも、するかもしれない。
  宇宙は確かにそこにあるはずなんだ。
  でも僕らは宇宙の存在を本当に知っているわけじゃないし、それを確かめる術もない。
  もともと何もない空間を宇宙と呼んでいるわけだから、
  たとえ僕らがスペースシャトルに乗って地球から飛び出したとしてもそこで宇宙に触れることはできないのだ。
  確かにそこにあるはずなんだけど、僕らはそれを見ることができない。触れることができない。確かめられない。
  それは昼間だって同じことがあって、いつも見上げてる青い空ってのは宇宙と一緒。
  谷川俊太郎が既に数々の詩にしたためていることだと思うんだけど
  まあなんせ本当に大切なことは何万年来不変でどうでもいいことはもう言い尽くされてるかもしれないからね。


  でもいいじゃないか。宇宙は確かにそこにあるんだから。

  それが宇宙的な考えってやつ。
  確かに主観は人生の全てだってさらりと言えるだけの力を持っているかもしれない。
  でも例えば僕を好きだと言ってくれる人がいる。
  それが本当なのかどうか、本人にしか、いやもしかしたら本人にすらわからないことかもしれない。
  嘘かもしれない。
  だけどいいじゃない。その気持ちは確かにそのひとの心の中にある。
  そう信じていればいいのさ。
  その人の心の中に本当にその気持ちが存在しているのなら、信じられるはずだよ。
  矛盾してるか? 理屈なんかいるもんか。根拠なんかねぇよ!


  絶対に「ある」んだから、心配することはない。

  ね。僕は君が好き。それは君には推し知ることはできないことだろう。恐らく、一生。
  だけどねえ、残念だけど僕が君のこと好きだってこと、確かに存在しちゃってるんだよ。
  信じるも信じないも君次第ホントのことなんだ。


  真実はいつもひとつ。

  自分が頑張ってるってこと、わざわざ人に言う必要なんてないよ。
  だって君はがんばってるんでしょう?
  だったらいいじゃないか、中途半端な言い訳してないで、胸張って今よりもっとがんばればいいじゃない。
  善いことして、誰も見てなくたっていいじゃない。
  君は確かに善いことをしたんだよ。君は確かに、イイヤツになってってるよ。
  それでよくない?
  スゲェことした。お前は確かにスゲェことしたよ。
  でも僕がそれを知らなくても、君は確かにスゲェことしてるんだって。
  これもある意味で、主観絶対主義に基づいてるのかもしれないな。
  でも自己満足なんて意味じゃない。もしそうだとしても、なんて素敵な自己満足だろうね。
  だから新しい言葉をつくる。客観絶対主義っていうの。周りの評判が全てだっていう。
  言葉としてはおかしな話だけど、客観絶対主義は主観絶対主義の中に含まれる。思想分類的にはね。
  だけどそんなん要らない、他人の評価がなんだ、自分の評価がなんだっていうんだい。
  でっけぇ宇宙につつまれた僕ら。確かに今、つつまれている僕ら。
  宇宙は見てる。
  「おまえ、最高だよっ!」(2001.9.30)




 未だにジャッキーの手記を見て凹んだり膨らんだりする輩が後を絶たない。確かにジャッキーはいつも真実だけを口にする。しかし、真実がいつも事実であるとは限らない。嘘でなければ語れない真実もある。ある真実を語りたいがためにある事実を捏造したり歪曲させたりなんてのは誰でもする。


 「真実と事実の違いがわからないわ」彼女は言う。「真実は全てなんだよ」ジャッキーは答える。
 「真実ってよくわからないの」「全てなんだ」
 「主観が入るのが真実?自我の認識するモノは全てが真実だということ?」
 「違う。

  そもそも真実でないものなんて存在するの?」


 「なんとなくわかった気がする」「そう、全てが真実なんだ
 宇宙は見てるんだよ」




 ある男は就職活動で、ある企業の説明会へ行った。後に彼は「それはカフカ的な状況だった」と語っている。「どうして自分は朝起きてスーツを着て訳も分からずこんなところにやって来てこんなところに座って意味のわからない説明を聞いてそしていつのまにか知能試験を受けさせられているんだろう」彼は

 「まるで、『審判』だ」

 と思った。「そのとき、私はカフカは偉大であると痛切に再認識した。私は、作家の偉大さというのは普遍性を描くことにあると思っているから」
 就職活動が『審判』的状況であるなら、それは普遍的だということだ。




 「つまり、源氏物語には普遍性があるということ」?

【第83話 a server meets it a key  2004.5.12(水)】

 男には三つの道しかない。一つ。全てを捨てて大好きな女の子と駆け落ちして適当に働きながら一生を過ごす。二つ。死ぬ。三つ。大好きな女の子と辛いながらも楽しく幸福な関係を保ちつつ自分の夢だの目標だのに向かって奮闘する。

 ジャッキーはドイツ語の授業で一年生の女の子と仲良くなったのでご満悦である。日本現代文化論の××さんには冷たくあしらわれた(ような錯覚をジャッキーはいつも感じるのだ)がくじけない。くじけるわけがない。

 テレビッ子であるか否かは重要であるとジャッキーは思った。カヲル好きだろうがタキツバ好きだろうが関係ない。何故ならジャッキーもカヲルは好きだしタキツバも好きだからだ(実はタキツバは今日決定的に惚れようと決めたのだが)。テレビッ子とは話が通じ合うから良い。いいんだ漱石なんて読んでなくても。オーケンなんて読んでなくても。

 浅羽通明氏、オバタカズユキ氏囲む飲み会にジャッキーは参加した。色々と得るものはあったが、最大は浅羽氏のカワイサ。や。カワイイね。あの方は。

 ラブホー。(ブラボーのなまり)

 「インターネットってどう思いますか」ジャッキーはたずねた。
 「クソだね」浅羽氏は答えた。「ネットで評価するのはひろゆきだけ」
 「そうですか」
 「いやまあ自分に関する言説は軒並みチェックするけどね、君のHPも見たし」
 ジャッキーはおったまげた。宇宙人オッタマゲー。
 でもそういえば浅羽氏に対してはあまり好意的なことを書いていなかったような。クソのような適当批判しかしたことがないような気がする。なんてこった。

 (略)

 ここで初めてジャッキーは浅羽氏が小説家ではないのだということに漸く気付くのであった。そうかなるほど。ジャッキーは何でもかんでも小説を基準にして考える傾向にあるため、「文章力」=「小説力」という図式を立ててしまうのだ。浅羽氏のようなライターに関していえばもっと他の次元に「力」というものがあるのだろう。そもそも「文章力」という言葉を用いることが間違っているのかも知れない。ジャッキーはとりあえず浅羽氏の著書を読めるだけ読んでみようと決意した。

 にしてもジャッキーはへこんだ。
 這い上がろうかと思った。
 思えなかったりもした。
 思い悩んだ。

 でも浅羽氏がカワイイので何もかもどうでもよくなった。いいじゃないか。楽しく生きよう。駆け落ちをしよう。思春期というフロンガスで徹底的に肥大した自我を気球代わりにして宇宙の旅へと出発しよう。そして窒息死をしよう。でも最後の悪あがきとして二人で空気を送り合おう。今すぐさあキスをしよう。気球の中で隠れてキスをしよう。

 宴席で御高話を賜ると多岐に渡る話題を鮮やかに料理していらっしゃり普段の講義の百億倍ぐらい面白かった。講義のテーマの問題なんだろうか。大学がどうの就職がどうのなんて興味ないし。

 「興味ないなんて少しでも思ってしまったらうちらの仕事としては負けなわけよ」
 ああ、意気地なしでいい。




もう言わない。ごめん。大好きだ、みんな。






あなたの冷え性がなおる日を待ってます
僕の体温でしかあったまらないんでしょう

だから遠くにいたらだめなんでしょう






やけくその引用句なんてもうやめようと思う。

【第82話 SHE NEVER ENDS  2004.5.11(火)】

死ねーばえー 死ねーーばーえー わーたしーたちーのみーらいはあーああー
死ねーばえー 死ねーーばーえー わーたしーたちーのあーしたーはあー

死ねーばえー 死ねーーばーえー わーたしーたちーーみーたいなあーのはー
死ねーばえー 死ねーーばーえー わーたしーたちーはあーしたーああー

【第81話 汚知らせ  2004.5.10(月)】

 THANATOSの公式サイトを発見した。感動で涙が出そうになった。このサイトを閲覧する中で最も忙しい人でも、どうか数分間だけ時間をつくってくれて、歌詞カードを見ながら"Bloody Bride"や"世界一有名な危機"や"恋の打撲にキンカン"を聴いてくれますように。ああ、とくに、尾崎××という人の書いた詞が素晴らしいことであるなあ。

【第80話 ラルフスズキ×松尾鈴木  2004.5.10(月)】

 部屋の冷蔵庫には玉葱と白菜と小松菜とベーコンとイカのくんせいが入っていた。だからジャッキーはその夜玉葱と白菜と小松菜とベーコンとイカのくんせいの入ったハヤシライスを作った。そしてスライスチーズと生卵を加えて食べた。なんて美味しいんだろうかとジャッキーは思った。
 ジャッキーは雑食である。食に関しても。読書に関しても。音楽に関しても。女の子に関しても。
 でもやっぱりハヤシは何よりも美味しいと思う。ハヤシであれば具に何が入っていても美味しいと思う。
 それが愛というもの。
 何のメタファだ。


 「えーと。ハヤシライスを作ったんですよ。市販ルーで。たまねぎと、えのきだけだけを入れてなかなか美味しくできたんですよ、味見してみたらね口の中に完熟トマトけどごはんがね、お米が炊いてなくてだから二行目の「ハヤシライスを作った」っていう表現はウソであって、本当は「ハヤシライスを作ろうとした」わけであってじゃあ実際は何を作ったのかというと人呼んで↑コーンハヤシティ人呼んでコーンハヤシティ。なんか最近はこれ見よがしにフォント使いまくりですがコーンハヤシティなんですよ美味いんですよ美味しいんですよまじでまぢでまZIでまDIでまJIで死ンダハウガマジデ死ンダハウガアアマヂデ」


 「ブルーシャイニンクイックスター買ってきたオーディオコードを使ってザ・ファーストワルツとシティカントリーシティをMDに落としまたハヤシを食らうわけですが(今度は米で)ああハヤシ先生は元気かなハヤシさんは今でもかわいいのだろうかかわいいに決まってるああそんなわけで僕はハヤシが大好きだ。」


 「ショックだわーハヤシさんが冷たいもんあっためなきゃ」


 「ジャッキー先輩東京行ってしまわれるんですよね~」
 ほわほわとしたブロードキャスティンゲイショナルな女の子が言った。笑顔が素敵な良い子です。日ごろから懇意にさせていただいておりますが…
 「ん~、そうそう。もしそうなったら、まあいつか遊びにおいでよ。」
 「そうですねぇ、じゃあ、もし東京行ったら、是非泊めてくださいねっ☆」
 いや、いいけどおふとんひとつしかないから。いでや、女の子はそういうこと軽軽しく口にしないように。おぢさん勘違いしちゃうから。しかし相手が僕で良かったものです。なんて…どうかしらね、イヤハヤ。


 挿話が伏線に変わるとき、というのはこういうことを言うんだろう。「ブロードキャスティンゲイショナルな女の子」が「泊めてください」と言ったことはその時にはまだ単に“挿話”でしかないがその後実際に泊まりにきたらこれは“伏線”になる。小説っていうのはそうやって書いていくと(主に書き手側にとって)面白くなるような気がする。

【第79話 壁に嘔吐  2004.5.9(日)】

 土曜の夜だから池袋の東方見聞録で飲み会。金がかかってしかたがない。小説書きの集まり。モチベーションだけは無駄に高まる。デニーズでパフェ。後、天使の家にみんなで上がり込む。突然やって来られて不機嫌ながらもどこか嬉しそうな可愛い天才の天使。なぜ天使なのかというと彼はお酒を飲むと(や、飲まなくても)「私は天使だもん」とか言い出すからだ。面白くてかなわない。深夜サイゼリヤに移動して朝までお喋り。

 日記の文体は面白い。主語を省けるから。もし「僕」と書けば一人称になるし「ジャッキー」と書けば三人称ぽい。「あなた」を登場させれば二人称ぽくもなる。なんて不透明でフワフワした状態なんだろう。

 「しね」とか「しねばいいのに」とか連発してたら色んな人に怒られた。土曜の飲み会では誰もが何の疑問も抱かず(すくなくとも表面上は)使用していた。某宗教団体の最高権力者に向かってすらみんなで「○○しねばいいのに」と言いまくっていた。それがどうだろうね。やっぱり住んでる世界が違うというか、人生や社会に対して生真面目に取り組んでるか、すでにある部分諦めてる/投げてる/捨ててるか、の違いなんだろうかね。もうどうでもいいやって思ってしまっているからしねばいいのにってしねばいいほど言える。「May YOU die」のYOUには自分も含まれているはずだ。というか、ほとんど自分に向けていると言ってもいい。当たり前だよね?だからこそ怒られたり、悲しまれたりするんだろうし。

 でもそろそろ飽きてきたな。それに「しねばいいのに」ってうざいもん。土曜の飲み会に来ていた人たちみたいに頭炭酸な人が口走ってたら割と自然に聞こえるけどもし普通の人間が言ってたら腹が立つかも知れない。好きな女の子が言っていたら寂しくなるかも知れない。だから「しねばいいのに」はちょっとだけ控えようかと思う。

 ダメ人間はしねばいいのに。

 自分にとって「死ね」っていう言葉を嫌悪する時期は過ぎたというか、まあ古いといってしまうとちょっと違うんだけど、ずっとそうやってきたからここらへんでそろそろ意識を切り替えてみようかなって思っているのだ。「ガンバレ」という言葉を嫌悪する人がいっぱいいるけど、どうしてそんな言葉のさきっぽを気にしてしまうんだろう。別にいいじゃん。じゃあ「ガンバレ」っていう言葉は日本語から消したほうがいいんか?まあ、気持ちは死ぬほどわかるけどさ。

 「死ぬほど」という強調語は許容されるけど「死ねば良いんだ」は許容されない。まあ当たり前なのか。市民権の問題なのかどうなのか。「死にたい」もダメだ。これは当たり前か。「もう死んでもいい」とか言う。「しねばいいのに」は外に向かうべくとるが働くし、何よりマイナスに傾いた言葉だからいけないのか。
 当たり前だ。
 しねばいいのに。ああ、もうこの言葉がうざったくなってきた。もうマイナスの言葉を使うのはやめよう。何かマイナスの感情を表に出すときは面白く演出しなくてはだめなんだ。じゃないとうざい。僕にとっては「しねばいいのに」っていう言葉それ自体に面白さがあったから使えたんだけどみんながそう感じるわけではないからダメでござる。もうやめた。

 でもこんなに楽な言葉はないからそう簡単に捨てられないかも。一度身体にしみこんでしまうと少しでも嫌な気持ちになったときにはポンポン口走ってしまう。ああ。

 んーどうでもいいことばかりだ。狂え。踊ればいいのに。

【第78話 Some Said,“A thirds of the pure-heart emotion”  2004.5.9(日)】

 君も知っての通り、君は僕のクスリさ
 どうしてこんなに単純なことで「しねばいいのに」なんてせりふを封印してしまえるんだろう。ほんの数分前まであんなにはまっていたのに。

 as you know, you're the only therapy for my lovesickness.
 I had been shouting it repeatedly till a few minutes before, so why ever could I cease to utter the phrase 'may YOU die' by that simple fact?

【第77話 ちかん、セックスしよ。  2004.5.9(日)】

 「待った?」彼女はすまさそうに言う。「待ったよ」ジャッキーは答える。「ごめんなさい」彼女は謝る。「まったくだよ」ジャッキーは溜息をつく。
 「怒ってる?」「もちろん」「どうして?」「メールが来なかったから」「忙しかったのよ」「ぼけ」「なによ」「あほ」「なによ」「しねばいいのに」
 「なによ」彼女は目に涙を貯めて口先を震えさせながら言った。
 ジャッキーは辟易の表情をわざと造りながら言う。「時間の進み方が違うんだよ」
 「時間の進み方?」

 「うん」
 「どういうこと」
 「しねばいいのに」
 「どうしてそんなことをいうの?」
 「しねばいいから」
 「じゃあ勝手にすれば」彼女はそろそろ溜息混じりに言う、「しになさいよ」「いや、べつに自分がしねばいいと思っているわけじゃない」「じゃあどういうこと」
 「みんなしね。みんなしねばいいんだ」
 「どうしてそんなことをいうの」

 「時間の進み方が違うんだよ。みんな」「え?」「どうして15時間もメールをくれないの。僕は君を愛しているのに」「忙しかったのよ。だから」「僕は忙しくなかった」「あたしは忙しかったの」「時間には二種類あるよね。時計時間と僕時間」「客観的時間と主観的時間」「そんな日焼けしたジャンプコミックスみたいな言い方はしないでくれ」「時計時間とあなた時間ね」「時計時間と僕時間」「が、なに」「君は15時間なにをしていたの」「飲み会に行って、帰ってすぐに眠って、すこし寝過ごして、急いでバイトに行って。これで15時間よ。メールを送る暇なんてなかった」「あっという間だったんでしょう」「バイトは面倒だったけどね」「レジを打っていればそれだけで時間は過ぎていくじゃない。あそこは客が多いから」「そうね。ものを考える暇なんてないくらい。ひっきりなしにお客がくるから。ぼうっとしてたらくびになる」「それだ。それなんだよ。しねばいいんだ。もう。しねばいいのに」


 「なによ」


 しねばいいんだよ/なにが
 君の時間の回転が目まぐるしくぐるり、ぐるりと回っていたとき。僕の時間はどうしていたと思うの/寂しかったのね、ごめんなさい
 寂しかったよ。無限に続くかと思った。そのとき時間は永遠だった。僕は永遠を信じるね/ごめんなさい
 永遠は確かに存在するよ。でも永遠は永遠じゃない/え?

 「永遠は永遠には存在し得ないんだ。でも、そのとき確かに、時間の回転は回るのをやめた。時間は永遠だったんだ」

 ごめんなさい/謝らなくてもいいんだ。だけど確実に、そうやって人間はすれ違って行くんだ。いつも違う時間を生きているんだよ
 ごめんなさい/僕らは結局、一緒に何かをしているときでさえも、同じ時間を過ごすことができない
 ごめんなさい/一緒に映画を見ているとき。僕にとってその二時間は一瞬かもしれない。でも君にとっては永遠なのかもしれない。しねばいいのに
 ごめんなさい/君はオザケンが好きだ。しかし、今だから言うけど僕はオザケンがどうしても好きになれない
 ごめんなさい/それと同じなんだよ。すれ違って行くんだ。ひとつになることなんてできないんだよ
 ごめんなさい/ひとつにならなくていいなんて言えない。ひとつになりたい。僕は君を愛しているから。ひとつになりたい
 ごめんなさい/たったひとつの重なった世界を共有したい。君と
 ごめんなさい/しねばいいのに
 ごめんなさい/しねばいいのに
 ごめんなさい/しねばいいのに…

 「ごめんね」ジャッキーはすまさそうに言った。「ううん。いい」彼女は涙を流しながら言った。
 「ただ僕は君が好きなだけなんだ」ジャッキーも泣きそうになりながら言う。「わかってる」彼女は涙をこらえようとしている。
 「やっぱり、しねばいいんだ」
 「どうしてそんなこというの?」
 「しねばいいから」/しねばいいのに

 しねばいいのに
 しねばいいのに
 しねばいいのに

 「ああ、僕は君を抱きたいよ」「わかんない」「わかんない?」「つまり、どうしたいの」「どうって」「ちゃんと言ってくれないとわかんない」「言えないよ」「どうして」
 「ほらここだ。ここなんだよ」ジャッキーは、しねばいいのに、と思った。「やっぱり、死ねばいい」



 (作者注:“彼女”からメールが来たので打ち切り)

【第76話 野球ディスコ  2004.5.8(土)】

 「しねばいいのに。だるい。だるい。だるい。しね。しね。しねばいいのに。しね。しねばいいんだ。しねばいいのに。しねばいいのに」
 「笑止」
 「しねばいいのに」

【第75話 2001.8.30(木)  2004.5.8(土)】

      ───、
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 ぼくじゃっきー。よろしくね☆


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   ドラえもんだいすき!


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 あ~ねむい。もうさんじだよ。


      ───、
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  ん~、むにゃむにゃ・・・。


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しまった!しゅくだいわすれてた。


      ───、 ~~~
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    [[[[ ̄ ̄ \ ~~~

      ヘコー。


      ───、
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   凸[[[/ ̄ ̄\

   なめとんのか~!


   ||||[ ───、  ||||
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    界王拳3倍!!


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     4倍だぁ~~!


      ───、
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 ☆~[[[. ⌒.)
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 って、素敵に無意味だね☆


      ───、
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  いけず~。めんどいなー。


      ───、
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うんうん、めんどいからやめよう。

   ________
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  | [[[. ⌒.) |||
  |  [[0 [[/  [|
    ̄ ̄/ ̄ ̄\ ̄ ̄

とゆーわけで、おやすみなさーい。

【第74話 飲んだくれキリシタン、酔いどれてアイミスユー  2004.5.8(土)】

 テイストをローディングすべきだ。
 もっと爆発的にもっとアグレッシブに。
 バカなことばかりやるべきなんだ。
 無難に生きていてはだめだ。無茶をしよう。
 そして叫ぼう。
 明るく行こう。前向きに。みんなを笑わせよう。Make'em laugh!



з з
 з

のび太。

【第73話 Drawn or Die  2004.5.7(金)】

 もう十日、胸が痛い。アルコールをのんで、ねている。ねていたくないのだが、ねる以外に仕方がない。ねて本を読む。天野こずえの本をあらかた読みかえした。
 氷結果汁を三本カラにしたが、痛みがとまらない。是非なく、告白してみた。いっこうにハカバカしくいかない。
 「ごめんなさい。あたし、バスケ部の狩野くんが好きなの。あなたはすてきな人だから、もっといい人が見つかるわよ。ほら、あたしのことなんてはやく忘れて。それだけよ。簡単なこと。それが何より、一番ね」
 こっちは、それだけでは、よろしくないのである。病なのだ。
 「今に、治るだろうと思うわ」
 この若い女は、完壁な言葉を用いる。今に、治るだろうと思うわ、か。恋の病は主観的認識の問題であるか、時間の客観的経過の問題であるか。ともかく、こっちは、胸が痛いのだよ。君のせいで。
 原子バクダンで百万人一瞬にたたきつぶしたって、たった一人の胸の痛みがとまらなきゃ、なにが叡智だい。バカヤロー。
 ふと、白ワインのガラスビンを縦に立てようとして、ガチャリと倒す。音響が、とびあがるほど、ひびくのである。
 「ぼくの馬鹿!ばか!」
 クビをくくれ。悪魔を滅ぼせ。退治せよ。すすめ。まけるな。戦え。
 かの三文文士は、恋の病によって、ついに、クビをくくって死せり。決死の血相、ものすごし。闘志充分なりき。偉大。
 ほめて、くれねえだろうな。誰も。
 胸が痛い、などということは、目下、胸が痛い人間以外は誰も同感してくれないのである。
 というわけで、酒を飲みまくったわけなんだが。家で。一人で。
 酒は、うまいもんじゃないです。僕はどんなウィスキーでもコニャックでも、イキを殺して、ようやく呑み下しているのだ。酔っ払うために、のんでいるです。酔うと、ねむれます。これも効用のひとつ。
 しかし、酒をのむと、忘れます。いや、別の人間に誕生します。もしも、自分というものが、忘れる必要がなかったら、何も、こんなものを、私はのみたくない。
 なにもかも忘れたい!ウソつけ。忘れたきゃ、年じゅう、酒をのんで、酔い通せ。これをデカダンと称す。屁理屈を言ってはならぬ。
 私は生きているのだぜ。人生五十年、タカが知れてらア、そう言うのが、あんまりやさしいから、言いたくない。幼稚でも、青くさくても、泥くさくても、なんとか生きているアカシを立てようと心がけているのだ。年じゅう酔い通すくらいなら、死んでらい。
 でもとりあえず今夜は呑むんだ。いまさら、病院怖くて酒が飲めるか。
 酔っ払わないと、『天気読み』も歌えない。こんなんではだめなんだな。
 訴えたいことがないんです。
 オマエが大好きでどうしようもないです。
 あなたのこと大好きな子どもなんです。
 鳥肌実42歳厄年。
 公団住宅在住。 流れ作業についていけないSIAM SHADEのファンでございます。
 「抱き合う時ぐらい着飾らずに感じて欲しい割に合わないノーリアクションじゃ寂しすぎる今夜こそは剥がしてやる偽りのシャイフェイスまだ知らない君を見せてくれ」
 どうしてSIAM SHADEを聴くんだろう僕は。どうしてJanne Da Arcを聴くんだろう。Hysteric Blueを聴くんだろう。世界の均質化に荷担しているような気がする。
 恋人や仲間の好きなものを自分も受け容れて愛そうと思う。あの人が鳥肌実大好きだから自分も鳥肌実にはまろうかと思う。あいつが所ジョージ大好きだから自分も所ジョージを聴きまくってみる。そうやって共同体の均質化が無作為に図られていく。進行している。浸食されていく。自分というものが周りに同化する。どうかしちゃうよ。ワァオ。
 なにがクールドライブメーカーズだ。かなり格好いいじゃないか。クールなドライブをメイクする奴ら。COOL SPY ON A HOT CARな奴らだ。
 なにに向かっていこうとしているんだろう。昨日はリュシフェルだのラピュータだのペニシリンだののアルバムを購入してしまったが。僕はどこに向かおうとしているのか。
 リセットミー。ゼロに戻せたら。季節外れの雪が降ってる。東京で見る雪はこれが最後ねと寂しそうに君が呟く。いつのまにか隙間あいた心が満たされてく。季節外れの雪が降ってる。東京で見る雪はこれが最後ねと寂しそうに君が呟く。
 公団住宅在住。流れ作業についていけない黒夢のファンでございます。
 ああ、明日は気分転換に黒夢のコンサートに出向こう。

 まだ一回しか聴いてないのにCASCADEのDance Capriccioが頭を回る。チョッチョッカプリチョ♪ダンスカプリチョ♪

【第72話 名曲のプラシーボ3  2004.5.6(木)】

 もうどうでもいいじゃないか。どうでもいいんだ。なにもかもどうでもいいんだ。
 生命の/瞬間の/輝き。
 爆発するアムール!

 刹那さを消せやしない。
 爆発するアムール!で一生を過ごしていきたい。のに
 爆発するアムール!は僕に最高の/生命の/瞬間の/輝きを与えてくれるというのに
 爆発するアムール!は
 ほんの一瞬の出来事だった。
 ハレだった。カーニバルだった。イベントだった。コミックマーケットのようなものだった。ヴィジュアル系ロックバンドのコンサートのようなものだったんだ。

 どうして毎日がコミケじゃないんだ。
 毎日がコミケだったら楽しいじゃないか。死ぬほど楽しいじゃないか。
 コミケ以外の日常は死んでいるのと同じだ。
 はやく次のコミケがやってこないかと/既に気持ちは未来を生きている。
 そうして現在は現実であることをやめる。現在が意味をもたなくなっている。
 意味のないこの瞬間に僕は死んでいるのと同じだ。

 ああ早く;次のコミケよやってこい。



 (ねえ仔猫ちゃん
  もう僕の言ってること
  わかんなくっちゃいけないよ)

【第71話 名曲のプラシーボ2  2004.5.6(木)】

 頭蓋内が色恋でフワフラ。
 ピンク色した脳細胞。
 学習能力てんで無し。
 突っ走りすぎて崖にも気付かずいつのまにやら海の上。
 溺れちゃった。

 痙攣に近い二の腕の痺れ。
 無理に笑いすぎて枯れてしまった笑顔。
 寂寥。
 不可能。

【第70話 名曲のプラシーボ  2004.5.6(木)】

 「鳥肌実42歳厄年。訴えたいことがないんです。いつも真っ赤な電波で吐きたいんです。ソープ通いと女装が天国なんです。五月病にかかるのはいつもです。ハウスダストで毎日鼻炎です。下り電車を見るのが大好きで、ふらりふらりと魔が差しグッドバイでございます」
 と、ジャッキーは世界的な演説家の口真似をしながらひねもす自宅で呆けている。黒夢の『生きていた中絶児』が垂れ流されている。何もすることがない。音楽を聴く以外にすることがない。黒夢が止まるとジャッキーはCDを入れ替えた。リュシフェルが流れ出す。どうやらリュシフェルに手を出し始めるほどに徒然らしい。
 「ああああ。眠ることしかできない」
 呟く。誰も振り向かないのに。


 疲れた。


 アパセティック。儚くなりたい。
 がらんどう。

【第69話 /96  2004.5.5(水)】

 誰もが心の中に死ね死ねを持っている。誰もが心の中にアヘアヘを持っている。それは仕方のないことだ。だが、自分の持っている死ね死ね及びアヘアヘと現実の環境とをどうにかしてうまく折り合いをつけていくのが人間というものだ。死ね死ねやアヘアヘを自制できない者は嫌われたりまた罪を犯したりする。それはまったくたしかなことだ。
 しかし彼らは正直である。だから自分に嘘を付いてヘラヘラ笑いながら保守的安定無難に生きていくことしか頭にない連中に比べれば彼らはある意味イノセンス。無垢に罪はない。けれども社会的には罪悪だ。社会が疎ましいと思うから罪人だ。正直な彼らを神は裁かないかもしれないが人間は裁く。徹底的に裁く…。

 社会は怖い。社会は他人の集まりだから、他人はとっても恐ろしい。正直な奴は裁かれる嫌われる馬鹿を見る。シネバイイノニと罵られる。大変だ。

 ジャッキーが今迷っているのは「自分が正直であるべきか、否か」という問題。おそらく今のジャッキーであれば寒い冬にダッフルコート着た彼女と原宿あたり風を切って歩くことくらいできる。それができる程度には正直なのだ。しかし、ジャッキーにはこの場で「昨日8万回キスをしました」なんて不特定多数の耳耳へと吹聴することはできない。そこまで正直にはなりきれないからだ。ジャッキーは非常に迷っている。

 ムッシュかまやつの場合
 愛すべき下等動物
 僕たちたった今いまいまいま恋を始めるから

 ホントだ。ポリシックス聴きすぎるとバカになる。

【第68話 Y LOVE ME  2004.5.3(月)+4(火)合併号】

 部屋を一所懸命掃除。結局徹夜。朝七時に東京駅。茅場町まで徒歩。日比谷線で三ノ輪。三ノ輪橋まで徒歩。路面電車にスイッチ。早稲田。大学まで徒歩。閉ざされた学食。ウェンディーズで朝昼食。高田馬場。池袋。サンシャインと見せかけてアニメイト。天野こずえの短編集が新装版で出てて興奮。購入。藤子不二雄Aランドも。中学時代に貯めたポイント2000円分を四年の時を越えて使用。改札口で出逢いをサプライズ。帰宅。掃除。少し昼寝。ブックオフでカスケードのセカンドアルバムを購入。七時頃、駅へ。そして家へ。「チューハイが飲みたい」をきっかけに夜11時頃酒を買いに出立。フジパンと名古屋を武器に世間話。チューハイを四本。プラス白ワインといいちこ。家。酔い。気持ちの良い酔い方。カワイサ爆発。乱れ飛ぶ愛の嵐。カスケードの声が煩わしくなるほどに甘美。いつの間にか睡眠へ。早朝に覚醒。十時位まで狂気の沙汰。コーネリアスのサイトなど閲覧。正午に出立。練馬高野台から池袋。丸の内線で東京。満室のコインロッカー。銀座まで徒歩。日比谷線で神谷町。東京タワー。小沢健二。急カーブ。教会通りの坂。登らずに満喫。同じく日比谷線で中目黒。コーネリアスのサイトで見た“中の橋”を捜索。発見。興奮。小山田圭吾。from Nakameguro to everywhere。狂喜。銀座経由で浅草。あげまんじゅう。バナチョコ。あげまんじゅう。非常に満足。ビバ浅草。また来ますと誓約。上野でアメ横。チョコの叩き売り。ここでも非常にご満悦。再び来たらんを誓文。上野広小路から乗車。京橋下車で銀座一丁目から月島へ行きもんじゃ焼きを賞味。もち明太子チーズもんじゃ。有楽町。歩き東京の地下街。東京の地下街散策。結局カフェドクリエ。隣の客がキャシャーンだのテッカマンだのウラシマンだのと口にのぼらせ談笑。早めに出てブラブラ。先の隣の客はアレ帰りだと指摘。ナルホドと感嘆。本日はビッグサイトでイベントが執り行われたとの由。ブラブラ。ブラブラ。ブラブラ。ブラブラ。東京を歩く。外の世界へ。昨日と今日の総決算。バスがいらっしゃる。バスが見えなくなる。帰宅。


 「世界とは愛。持病である二の腕の痺れはバイト始めてから冷え性が治ったというあなたの手のひらでセラピー。僕がカバンを左にかければあなたはカバンを右にかける。あなたがカバンを左にかければ僕はカバンを右にかける。愛とはなんて素晴らしい! どうしてこんなに当たり前のことに今まで気付かなかったのか! 『LIFE』がどうして名盤なのかようやくわかったんだ! 思えば全ては『FANTASMA』の恩恵に預かった僕らの邂逅だ! ありがとうフリッパーズ・ギター! 噛み締める。すると別れはやってくる。シャムシェイドの甘い歌詞があなたにもたらした消せやせない刹那さは僕らの煌めいたラブリーを裏側から照射している。
 ジャキたんショックトゥ! ちょうショックトゥ! ちょーびーショックトゥ! ちょーびーショックトゥ!」

【第67話 クルクルミラクルドラクル  2004.5.1(土)】

  《週末の結果論》

 「あなたは倉木麻衣の『Stand Up』を聴くべきよ。今のままでは勿体ないわ。あなたは今のままでも十分素敵だけど、倉木麻衣の『Stand Up』を聴いたらもっと素敵になるわ、絶対に。絶対なのよ。保証する。だって、あたしも倉木麻衣の『Stand Up』を聴いて“立ち上がろう”って思えたんだもの。だからあなたも倉木麻衣の『Stand Up』を聴いたほうがいい。あたし何かおかしなこと言ってる?筋が通っているでしょう」

 「もしも何か悩みがあるんなら聞きたいな。あなたにはどこか翳りがあるのをあたしは知ってる。誰にも言えないようなことでも話してほしいの。それから一緒に倉木麻衣の『Stand Up』を歌いましょう。きっとあなたの人生は良い方向に向かう。絶対に」

 「さあ、一緒に倉木麻衣の『Stand Up』の歌詞を唱えましょう。御本尊に向かって」

 「すたんだっぷ。かもんでぃいじぇいああのめろでぃいがききたいんだ、あは。」


   ほら、ぐーるぐるーぐる、ぐるぐるるーぐる。
   さあみんなで一緒にぐるぐるるーぐる。


 「どうして一緒に倉木麻衣の『Stand Up』の歌詞を唱えてくれないの?そんなことでは幸福にはなれないわよ。一緒に幸福を科学しましょうよ。新しい価値を創りあげましょうよ。象のお面をかぶったり3分間だけ祈ったりしましょうよ、ほら、あなたも一緒に“すたんだっぷ。かもんでぃいじぇいああのめろでぃいがききたいんだ、あは”」

 「いつでもいっつおおけいもあfaith今がちゃんすちゃんす」

 「すたんだっぷ。かもんでぃいじぇいああのめろでぃいがききたいんだ、あは」

 「すたんだっぷ。かもんでぃいじぇいああのめろでぃいがききたいんだ、あは」

 「すたんだっぷ。かもんでぃいじぇいああのめろでぃいがききたいんだ、あは」

 「すたんだっぷ。かもんでぃいじぇいああのめろでぃいがききたいんだ、あは」

 「すたんだっぷ。かもんでぃいじぇいああのめろでぃいがききたいんだ、あは」




 この週末に、ジャッキーはある高校時代の同級生と半年ぶりに顔を合わせた。その友人が最初に言った言葉は「髪長いな」だった。そして二言目は「選挙権ってまだないんだよな」だった。それが何を意味するかはわかっていた。


「あー日本はよくならん」
「まったくだ。誰かもっと住み良い国に変えてくれないかな」
「でも誰がやるっていうんだ?」

公明党がやる。


「今日トイレ掃除お前らだぞ」
「えーまじで。かったるーやる気出ねえ」
「ほんと、誰か代わりにやってくれないかなあ」

公明党がやる。


「うんこ喰え」
「やだよお前喰え」
「っていうかそんなことやる奴いないだろ?」

公明党がやる。


「最近政治家の汚職事件少なくなったよな」

公明党がやる。


「あら。このお花。はやくお水をやらないと枯れてしまうわ」

公明党がやる。


「誰かブッシュを暗殺してくれー」

公明党がやる。


 というわけでジャッキーは某団体の会合に連れて行かれそうである。どこからかとんねるずの声が聞こえてくる。
 “断らぬお前はいつも宗教家たちの天使だよ”
 『ガニ』だ。
 ふざけろ。
 「鷲は行かないぞ。やめてくれーーーーえーー。さぁ放してくれぃぇ」
 「どっこい放さぬ」
 「僕の寂しさ、孤独を全部君が」
 「何を言っている」
 「さぁ笑ってくれぃぇ。ダメ人間と。入信して気付くなんて遅いと」
 「さぁ受け容れてくれぃぇ。その辛さをさあ分け合いましょう。さぁ」
 「うまいこと言うなー死ねー」
 「お前が死ねー」
 「死ねー」
 「死ねー」
 「死ねー」
 「死ねー」
 「死ねー」
 「死ねー」
 「死ねー」
 「死ねー」

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