少年Aの散歩/Entertainment Zone
⇒この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件などとは、いっさい無関係です。

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2017.04.24(月) 禁教豊國

 4月1日からお店をはじめた関係で、ぜんぜん余裕がなく、こちらの更新も滞っておりました。最近、複数の人から「書きなさい」と言われたので、書きます。全国30人の読者のみなさま、お待たせいたしました。いつもありがとうございます。
(どうでもいいですが、この「全国30人の読者」というのは、『宇宙船サジタリウス』のメインライター、一色伸幸さんが原作・脚本を手がけられた『七人のおたく』での、武田真治演じるアイドルおたくの言い回しを模したものです。この作品についてはまた後日。)

 学校のことでも、お店のことでも、無限に書くことはあるのですが、久しぶりなので(?)おおざっぱな話を書きます。


「意思は言葉を変え 言葉は都市を変えていく」とは、2月に発売された小沢健二さんの『流動体について』の歌詞。これについても無限に言いたいことがある。
 それはそれとして、先日すさまじい文書を入手した。19歳から私淑している浅羽通明先生が、20歳の夏に書いた文章である。「見えない大学」なるものに関する序論で、ご本人からいただいた。
 終盤、読んでいて泣いてしまった。20歳の時点でこのようなことを書く人だからこそ、僕は13年間追いかけ続けていたのだ。それが芯からよくわかった。
 浅羽先生は、本当にわかりにくい人物である。思想、といってよいものがあるとしたら、それを把握して言語化することは非常に困難だと思う。顔を合わせていても、未だに「怖い」ときがある。僕は、彼が真に優しい人間であることを知っているので、問題ないのだが、慣れていない人は面食らうのではなかろうか。思うに、そういう人である。
 いったい、その文章に何が書いてあったのか。僕などが要約できるものではないし、個人的にいただいたものでもあるので、抽象的にやる。
 それは「意思は言葉を変え 言葉は都市を変えていく」という、48歳の歌手が吹き込んだレコードの言葉ともつながり、15歳の少年が通う「あひる社」という“店”にもつながる。そして僕が20歳のとき、初めて無銘喫茶というバーに足を踏みこんだときの気分にも、当たり前のようにつながっていた。
 僕はいま、東京という巨大な都市のなかで「夜学バー」と冠されるお店をやっている。それはまるで浅羽先生が20歳のときに描いた、「見えない大学」の一部である。知らず知らず僕は、そのような道を辿っていた。僕が“店”を学舎として捉えるようになったきっかけは、20歳の時に通っていたあの古くさいバーが原体験である。そして32歳になって作った“店”で、浅羽先生はこの29日、催しを主宰してくれる。
 1979年の20歳と、2005年の20歳と、2017年の32歳と58歳が、同じところに集っているような感覚。じつに最高のSFである。というのは、僕が16歳の時に書いた戯曲というのは、そういう話だったからだ。
 見えない大学は、そういうふうに時空を超える、と思う。

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